火災の発生現場において、その原因を調査するための専用車両。発電機やエアコンプレッサーなどを初め、調査に必要な資機材を搭載している。
指揮調査隊は、火災や水防活動時等に必要な資機材等を装備した消防車を運用し、現地指揮者の指揮支援活動を行います。
また、火災予原因や損害の調査も行います。
指揮車(指令車)
指揮車は災害活動の現場で指揮を執る「大隊長(=消防署長・消防分署長)」と麾下の、伝令や通信係、情報整理担当など5人~3人で1個隊が編成される「指揮隊」が搭乗する車両で、各消防署の指揮隊によって運用されている。関係機関や現場で活動中の各中隊小隊と情報交換ができるように、電話(自動車電話)・ファクシミリ・使用している全ての消防無線を送受信できる無線機などの通信機器、住宅地図帳、作戦図板になる折り畳み式テーブルを搭載している。大型の車両では“移動通信指令室”といえるような物もある(東京消防庁本庁警防部に所属する「本部指揮隊車」、及び同庁第8消防方面本部保有の「移動無線電話車」。実際に、無線端末5台を組み込んだ指令卓が搭載されている。「本部指揮隊車」が動いた時には本庁にも「警防本部」が立ち上がっている)。また、車両によっては大型のLEDボードや幕、サイドオーニング(収納式テント)を装備している。活動中は「現場指揮本部」・「現場本部」の幟を立てて目印とする。1BOXタイプの車両については、東京消防庁では「救助先行車」と呼称していた。
他の各車両では分隊長は助手席に乗って出動するが、指揮車に限り、大隊長は、現場に着いたら真っ先に飛び降りて全体指揮と本部設営にかかるため、後席一番左側(全体の一番外側)座席に座る。
平成17年、消防庁の消防力整備指針により、消防本部・消防署の指揮隊・指揮車の配備基準が定められた。
出動と同時に現場の詳細、出動隊の状態など多くの情報を取り入れる指揮隊は、「原因調査車」の行う役割と近いものがある。このため、本部によっては、指揮隊のメンバーに調査部門の職員を加え、「原因調査車」と兼用していることがある。そのような車両は、スモークガラス、調査資機材などを装備している。ワンボックスカーが多い。
「指揮車」「指令車」の違いは各消防本部によって委ねられている。大規模な消防本部では「指揮車」、指揮隊が存在しない小規模な消防本部及び消防団で使用される車輌には「指令車」と呼ばれることが多い。
無線統制車
大規模な活動現場において混線する消防無線を指令・統制するなどの支援を行う車両。複数の無線装置やファクシミリ等を装備し、ヘリコプターテレビ画像伝送装置を装備する車両もある。多くが1980 - 1990代年初期の車両であり現在では支援車IV型に代替されている。
情報通信工作車
東京消防庁情報通信課に所属する車両。無線統制車同様、無線有線の通信機能のみに特化されている他、出動先で無線機の整備も行えるよう工具や測定器も搭載されている。消防無線機の内部構造を取り扱う関係上、機関員の他に陸上無線技術士の免許を持つ隊員が乗って出動する。
指揮統制車
指揮車(指令車)と同様な車両で、数台の指揮車や多数の指揮隊を更に統制する指揮車のことである。前述の無線統制車と似ておりパラボラアンテナや特殊無線処理、移動司令本部キット等を装備し、消防庁や都道府県庁消防防災部門と連携を取る場合にも活動する。東京消防庁(警防本部)など大規模自治体に配備されている(大規模災害時は緊急消防援助隊の指揮隊車となる)。