昭和2年開業の松山駅は、愛媛県松山市南江戸一丁目にある、四国旅客鉄道(JR四国)予讃線・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅です。駅名標のコメントは「坊っちゃん、マドンナと道後温泉の駅」。四国一の人口を誇る都市で愛媛県の代表駅(県庁所在地駅)です。JR松山駅の2010年度の1日平均の乗車人員は7,238人で、JR四国の駅では高松駅、徳島駅に次いで3位です。
人口50万人を抱える四国最大の県庁所在地の代表駅としては利用者は少ない。これは当駅が松山市街地の西端に位置することや、長距離客の利用が中心で短距離の利用は伊予鉄道の方が利便性が良いこと、松山市駅が市の実質的な中心駅としての機能を担っていることなどが挙げられます。駅前には伊予鉄道とJR四国バスのバスのりばが設置されています。
1927年に高松方面から延びてきた予讃線の駅として開業しましたが、松山市内には既に1888年に開業していた伊予鉄道の松山駅が存在していました。国有鉄道を当時運営していた鉄道省では伊予鉄道に駅名改称を要求し、伊予鉄道は国鉄駅の名前を「伊予松山駅」とすればよいと反発しました。鉄道省は伊予鉄の運輸課長を東京の本省に呼び出して圧力を掛けるなどし、結局伊予鉄側が折れて伊予鉄の駅を松山市駅に改称して松山駅の名前を国鉄に譲った。しかし国鉄の駅は市街地から離れていて、その後も松山における中心駅としての地位は松山市駅が占め続け、国鉄の駅は長距離客のみ使用するものという雰囲気が形成され、現在に至っています。
現在、松山駅では高架化事業が進んでいます。2008年に都市計画決定および事業計画決定が為され、同年より先行買収に着手しました。並行して埋蔵文化財の調査も行われています。
松山駅は県都松山市の玄関口のひとつですが、昭和28年に建築され老朽化した駅舎が現役です。2000年に駅本屋をレトロ調に改装したものの、駅舎の西方に運転所が併設されている関係で西口が設置できないなど、旧態依然とした構造ゆえに依然として利用者に不便を強いています。加えて、予讃線により当駅付近の中心市街地・主要道路が南北に分断されており、朝夕のラッシュ時には踏切により交通が遮断されるなど、都市生活にも支障を来しており、高架化による改良が決定されました。
また、松山駅は松山市街の中心(大街道や松山市駅など)からはずれた中心市街地西端に位置しています。これは、全国的に同様の事例がいくつかあったように、国鉄線開業が昭和に入ってからと遅かったため松山市が市街中心部への鉄道引き込みを拒否した為です。結果、当時の温泉郡南江戸村(現松山市南江戸1丁目)の田園地帯に駅を設置され、現在に至っています。今でも周辺部に市街化調整区域が残っており、ビルの横に田んぼというアンバランスな様相を呈しています。道路も狭隘で、市街地として抜本的な改良が待たれる。そのため、土地区画整理事業を行うことも決定されました。これは高架化とあわせて市街地としての再生も目指すものです。
駅舎に接した単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線のホームを持つ駅。コンクリート2階建て駅舎の地上駅です。駅の正面入口には隷書体に旧字体を使用しレトロ調の大きな三角屋根が目を引きます。駅構内には松山運転所(車両基地)が置かれている。レトロ調に改装されたみどりの窓口や自動券売機はありますが自動改札機はありません。改札も木で化粧されています。コンコースは2階部分までを吹き抜けになっています。
2011年4月19日より、列車接近メロディが「瀬戸の花嫁」から「この街で」に変更されています。これは松山市とのパートナーシップ協定の一環であり、当日には協定締結式がホームにて行われました。なおこのメロディが採用されたのは松山市「ことばのちから」イベントで生まれた歌であることからです。
松山駅では、1番のりば北側に岡山・高松発着の「しおかぜ」・「いしづち」、南側に宇和島発着の「宇和海」が向かい合わせに止まる珍しい形態を取ることが多い(その証拠に右上の写真にあるように1番ホームの長さが2・3番ホームの長さより長い)。しかし、下り基準で「しおかぜ」編成の前側と「宇和海」の後ろ側は自由席がメインで、指定席・グリーン車を利用しての「しおかぜ」「宇和海」相互の乗り換えには時間と距離を要する。また、電車を使用する「しおかぜ」「いしづち」はここで折り返すため、車内清掃終了後すぐに発車となる(到着後10分程度で発車する)。
1■予讃線(上り)今治・伊予西条・新居浜・高松・岡山方面 (特急「しおかぜ」・「いしづち」を含む)
(下り)伊予市・伊予大洲・八幡浜・宇和島方面 (特急の大半を含む)
2■予讃線(上り)今治・伊予西条・新居浜方面 (特急「ミッドナイトEXP松山」を含む)
(下り)伊予市・伊予大洲・八幡浜・宇和島方面 (特急の一部を含む)
3■予讃線(上り)今治・伊予西条方面
(下り)伊予市・伊予大洲・八幡浜・宇和島方面 (特急の一部を含む)
主として、特急は1番のりば、普通は2・3番のりばを使用するが、例外もある。
構内裏手には松山運転所の広大なヤードがあります。
貨物駅:
JR貨物の施設は、駅舎の南側に位置する。本線を挟んだ西側は松山運転所が広がる。コンテナホーム2面、荷役線3本が設置されている。駅の着発線と荷役線は市坪駅方面に伸びる引き上げ線を介して接続している。また、駅構内には営業窓口のJR貨物松山営業所も置かれている。
コンテナ貨物
12ftコンテナ、20ft大型コンテナを取り扱う。
産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ている。
貨物列車
貨物列車は、1日1往復高松貨物ターミナル駅方面との間に高速貨物列車が運行されているのみ。なお、当駅終着の下り列車は高松貨物ターミナル駅始発だが、当駅始発の上り列車は大阪貨物ターミナル駅を経由し金沢貨物ターミナル駅まで直通する。
1927年(昭和2年)4月3日 - 国有鉄道の駅として、讃予線(現在の予讃線)伊予北条駅 - 松山間開通と同時に開業。
1930年(昭和5年)2月27日 - 伊予市駅まで讃予線が開通。
1934年(昭和9年)3月24日 - 予土線(自動車線。現在の松山高知急行線)松山・久万間開業により、自動車線の一般運輸営業を取扱う。
1965年(昭和40年)3月18日 - 北四国急行線(自動車線)高松・松山間運行開始。ただし、当駅発着は国鉄便のみであった。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR四国・JR貨物の駅となる。
1990年(平成2年)11月21日 - 伊予北条 - 伊予市間電化。
2006年(平成18年)3月1日 - 駅番号表示を開始。
電報略号 マツ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度- 7,238人/日(降車客含まず)
-2010年-
開業年月日 1927年(昭和2年)4月3日
備考 みどりの窓口 有