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JR西日本285系電車 サンライズエクスプレス

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サンライズ出雲は、東京駅 - 出雲市駅間を、東海道本線・山陽本線・伯備線・山陰本線を経由して運行している寝台特別急行列車である。

「サンライズ出雲」は、1998年7月にそれまで14系客車(いわゆるブルートレイン)によって運転されていた寝台特急「出雲」2・3号を、新たに製造した285系電車に置き換える形で運転を開始した。「出雲」2・3号時代は全区間単独運転であったが、東京駅 - 岡山駅間は同じく寝台特急「瀬戸」から置き換えられた「サンライズ瀬戸」とともに併結運転されるようになった。


「サンライズ瀬戸」運転開始後も2006年3月17日(始発駅発車日)までは、東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両で運行する「出雲」(旧1・4号。鳥取駅経由)がもう1系統として継続して運転されていたが、利用客が低迷し車両の老朽化も進んだため、同日をもって廃止された。鳥取県は廃止に対し、県庁所在地である鳥取駅から東京駅へ直通する列車の消滅を理由に最後まで反対した(ウィキニュースの記事も参照)。現在、鳥取県内で寝台列車が停車するのは、唯一「サンライズ出雲」の米子駅のみとなっている。
2009年3月14日のダイヤ改正により東京駅発着の客車寝台特急(ブルートレイン)が全廃されたため、「サンライズ瀬戸」とあわせて唯一の東京駅発着、大阪駅以西を運転する寝台列車(寝台特急)となっている。

列車名の由来
愛称は、島根県東部の旧国名である「出雲国」に由来する。2往復のうち1往復を285系電車で置き換えた際、イメージの刷新に加え、客車列車のまま存置されたもう1往復との区別の意味も含め、置き換えた列車に同形式の愛称である「サンライズエクスプレス」の一部を冠することとなった。


伯備線を介して首都圏と岡山県・鳥取県西部・島根県東部を結ぶ役割を担っており、東京駅 - 出雲市駅間で約12時間をかけ毎日1往復運転されている。東京駅 - 岡山駅間は「サンライズ瀬戸」と併結運転される。
列車番号は区間により異なり、東京駅 - 岡山駅間は併結相手の「サンライズ瀬戸」に合わせて下りが5031M、上りが5032Mであるが、岡山駅 - 出雲市駅間は下りが4031M、上りが4032Mとなっている。

JR西日本の後藤総合車両所および、JR東海の大垣車両区所属の285系電車を使用している。7両編成で個室A寝台シングルデラックス」、個室B寝台「サンライズツイン」「シングルツイン」「シングル」「ソロ」、普通車指定席「ノビノビ座席」で組成されている。また、3号車と10号車にはミニサロンが設けられている。
東京駅 - 岡山駅間は「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」を併結して岡山駅で増解結を行うため、車両の運用は一巡するように組まれており、「サンライズ出雲」東京行→「サンライズ瀬戸」高松行→「サンライズ瀬戸」東京行→「サンライズ出雲」出雲市行の順に運用されている。この運用形態は1994年 - 1999年までの「さくら」、2005年 - 2009年までの「はやぶさ」「富士」で見られた。
シャワー室は、3号車・4号車・10号車・11号車にあり、シャワーカードにより6分間利用することができる。このうち、4号車・11号車は個室A寝台利用客専用となっている。個室A寝台利用客は車掌から配布されるシャワーカードで利用できるが、個室B寝台・ノビノビ座席利用客は、車掌から310円のシャワーカードを購入する必要がある。また、タオルと歯ブラシのアメニティセットも200円で車掌から購入することができる。

285系電車は西日本旅客鉄道(JR西日本)および東海旅客鉄道(JR東海)の特急形直流寝台電車。旧来から、寝台列車に使用される車両は、機関車が牽引する客車タイプ(いわゆる「ブルートレイン」)が主流で、電車タイプの車両としては旧日本国有鉄道(国鉄)が1967年から1972年にかけて製造した581・583系が唯一であった。この車両は高度経済成長に伴う輸送需要増加に合理的に対応する観点から、夜間は寝台車、昼間は座席車として昼夜を問わず運用できる車両として開発・導入されたが、寝台・座席の転換作業の煩雑さや、座席車としての居住性の悪さ、電車のため当然非電化区間へは入線できないことなどのデメリットも多く、スタンダードとはならなかった。


その後も寝台列車の車両は客車が主流となっていたが、運転性能が電車や気動車に劣るため所要時間の短縮が困難であるほか、1970年代以降は長距離利用客の多くが新幹線や航空機へ移行したため、観光客需要へ特化し個室寝台や食堂車などの付加価値を高めた「北斗星」「トワイライトエクスプレス」といった一部の列車以外は、利用は衰退の一途を辿っていた。
しかし、寝台列車とは本来、高い客単価が望める商品であり、現代のニーズに合ったサービスを提供することで、ビジネス客も含めた需要の取り込みが可能と考えられる列車については、個室寝台主体の新型車両を投入し強化していく方向性が見いだされた。
具体的な列車として、現状での平均乗車率が比較的高く、走行距離・所要時間等の観点からも航空機等の競合交通機関に対抗可能と見込まれた「瀬戸」(東京駅 - 高松駅)と「出雲」(東京駅 - 出雲市駅)の2列車が対象として選ばれ、1997年6月20日にJR西日本・JR東海両社から共同プレスリリースされた。
開発に際しては、「瀬戸」「出雲」の客車を保有するJR西日本の主導で行われたが、JR東海についても自社線内を通過する高単価客増加による収益増が期待できることから、両社による共同開発・共同保有の体裁が取られた。製造は川崎重工業・近畿車輛・日本車輌製造が受注。基本設計は剣持勇デザイン研究所、内装設計には大手ハウスメーカーのミサワホームが参画した。


「サンライズエクスプレス」の愛称が「さわやかな朝、新しい一日のはじまり」というイメージで命名され、夜をイメージした従前のブルートレインとは一線を画する明るい外観デザインとなった。
1998年にグッドデザイン金賞、ブルネル奨励賞を受賞、1999年に第42回鉄道友の会ブルーリボン賞をそれぞれ受賞している。
営業最高速度は130km/hで、寝台列車としては日本最速である。なお、速度種別はA5(10パーミル均衡速度105km/h)である。

ノビノビ座席は5・12号車に28席ずつ存在する開放型寝台に似た普通車座席指定席で、指定席特急料金のみで利用でき寝台料金は不要。
二段構造のカーペット敷きとなっており、頭が来る部分の左右に隣と仕切る壁に読書灯が設置されており、1名当たり1畳分程度のスペースで区分されている。通路との間にカーテンがあるが、隣と仕切るカーテンはない。頭が来る部分の頭上に空調の吹出口があり、風量は個別に変えられる。
毛布が備え付けられているのみで、枕やシーツの類はない。

編成 7両 (2M5T)
営業最高速度 130 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 1.8 km/h/s
減速度 4.3 km/h/s(常用最大)
5.2 km/h/s(非常)
編成定員 6(A寝)+124(B寝)+28(普)= 158人
全長 21,670 (21,300) mm
全幅 2,945 mm
全高 先頭車:4,090 mm
車体材質 普通鋼
編成質量 305 t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
編成出力 220kW×8=1,760kW
主電動機 かご形三相誘導電動機 (WMT102A)
歯車比 1:6.53
駆動装置 WNドライブ
制御装置 PWMIGBT-VVVFインバータ
(静止形インバータ一体型)
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)
WDT58・WTR242
制動方式 発電ブレーキ・回生ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ(滑走防止・
応荷重・遅れ込め制御)、抑速ブレーキ
保安装置 ATS-P、ATS-SW、列車防護無線装置
製造メーカー 近畿車輛
川崎重工業(JR西日本車のみ)
日本車輌製造(JR東海車のみ)

 

 

 

 


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