芸予要塞時代、島内には22門の大砲が設置されていました。それら砲台の弾薬や火薬を保管する倉庫でその頃5人の番人がいたそうです。
明治時代に、中部砲台、南部砲台、北部砲台の弾薬は全てこの火薬庫にありました。周りの壁はレンガ造りで残っていますが、大久野島の火薬庫に限らずどの砲台火薬庫の屋根が朽ちていることが多いのはもし爆発しても威力が抜けやすくするためワザと弱く作っているからとの事。
火薬庫の建物自体は南北に長く延びてます。毒ガス工場時代にも化学製品置き場して利用されていました。可部に描かれているMAG1の文字は「MAGAZINE 1」の略で朝鮮戦争当時この建物を日米安保条約によりアメリカ軍が弾薬庫として使用したときに描かれたものです。
倉庫の海側の土手は海や対岸から見えない様に人口的に盛り土をしています。結果、屋根部分の劣化につながったと思います。
火薬庫の構造及び設備
区 分 1級火薬庫(地上) 2級火薬庫(地上) 3級火薬庫(地上)
壁 の 厚 さ 鉄筋コンクリート造は15cm以上
コンクリートフロック造等は20cm以上 盗難及び火災を防ぎ得る構造 鉄筋⊃ンクリート造は20cm以上
補強コンクリートブロック造は30cm以上
但し,前面は10㎝以下の無筋コンクリート造
入 □ の 扉 二重扉
外扉の鉄板厚3mm以上 二重扉
外扉の鉄板厚2mm以上 二重扉
外扉の鉄板厚3mm以上
窓 地盤面からの高さ1.7m以上
直径lcm以上の鉄棒を10cm以下の間隔ではめこむ
床 地盤面から30㎝以上
床下に通気孔3個以上(金網張り,鉄棒はめ込み) (規定なし) 地盤面から30cm以上
床下に通気孔3個以上(金網張り,鉄棒はめ込み)
内 面 原則として板張り,床面には鉄類を表わさない
換 気 孔 天井から両つまに通じるよう,天井と両つまに各1個以上(金網張り)
(2級は規定なし)
暖 房 温水式のみ可
照 明 防爆式電灯,配線は金属管工事,ケーフル工事等,開閉器は庫外
屋 根 外面は金属板,スレート板,瓦等 ラスモルタル仕上げ等
避 雷 装 置 必ず設ける できるだけ設ける (不要)
土 堤 土塊で囲む できるだけ土堤で囲む 土煙又は簡易土堤で囲む
防火,警戒 境界に沿い2m以上の空地,貯水槽,警戒札 外側に注水できる設備
盗 難 防 止 外部にできるだけ夜間点灯,天井裏又は屋根に金網張り
見張人を常時配置する場合以外は警鳴装置を設置