一畑電気鉄道5000系電車(いちばたでんきてつどう5000けいでんしゃ)は一畑電車への分社前の一畑電気鉄道が1998年に導入した急行形電車です。
木質化改装車
2013年、当車両の木質化改装が島根県産木材の需要拡大を目的に制定された「島根県森林整備加速化・林業再生事業費補助金」の平成25年度事業として採択された。
2014年より5009編成(デハ5009 - デハ5109)が後藤工業にて木質化改装工事を受け、同年7月14日より営業運転を開始した。この改造にて座席はボックスシート化されており、各座席を杉のパーテーションで区切られている。
一畑電気鉄道の車両近代化に際して、1998年(平成10年)に登場した。2両編成2本の計4両が在籍する。本系列の導入によって一畑電気鉄道の全定期列車の近代化が完了している。本系列は2100系と同じく京王5000系を京王重機整備にて改造の上、譲受した車両であるが、出雲大社方面への観光輸送を重視した車両であるため、外観・内装は2100系と全く異なる。
塗装は在来車両から一新し、出雲平野の雲をイメージとした白をベースして、屋根と車体裾部分には宍道湖をイメージとした青、前面窓周りと車体下部には出雲大社厳粛の趣である黒が配色されている。
前面は貫通扉が埋められて非貫通形になっており、前照灯は2灯式から1灯式に変更され、元の標識灯は撤去されて丸形のものが新設された。行先表示器があった場所には羅針盤を模したヘッドマークが取り付けられ、行先表示器は助手席側窓の上側に設置された。ワンマン運転用としてサイドミラーも設置されている。側面は2100系2103・2104編成と同様、中央の扉が埋められて2扉となっている。
内装は当初青を基調とし、座席は車端部とドア付近を除いてクロスシートに改装された。クロスシートは運転台に向かって左側に1人掛けの転換式クロスシート、右側に2人掛けの回転式クロスシートとなった。
ちなみに回転式クロスシートは廃車になった小田急3100形(NSE)のシートを流用し、この部分の吊革は撤去した。車内天井には出雲の神話にまつわるイラストが描かれていた。各車同様、ワンマン運転用として連結面側の側扉付近に乗車整理券発行器、運転台後部に運賃表示機と自動両替機付運賃箱、連結面に防犯カメラを設置した。
京王線の軌間は1372mm、一畑電車の軌間が1067mmである関係から、改軌のために台車を帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)3000系から流用したFS510に履き替えるなど、基本的な改造箇所は2100系と同じ。
冷房装置は分散式のRPU-2203AJをデハ5001形に3基(パンタグラフ設置のため連結面の1基を撤去)、デハ5010形に4基搭載している。
かつては平日朝の特急「スーパーライナー」と、休日の急行「出雲大社号」及び電鉄出雲市~出雲大社前間の特急に限定運用されていたが、2100系2104編成「ご縁電車しまねっこ号」登場後は同運用から撤退した。現在は他車との共通運用に就いている。 非貫通のため、4両編成では前後の車両を行き来することはできない。