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米軍 M240機関銃

M240機関銃
M240機関銃(M240きかんじゅう、M240 Medium Machine Gun)は、アメリカ軍で使用されている、7.62x51mm NATO弾を使用する中量級の汎用機関銃である。

基本的には、NATO加盟国軍が採用しているFN MAGをアメリカ軍向けに改修設計したもので、他の機関銃と違い、まず同軸機銃として採用され、後に歩兵用に採用されたという経緯を持っている。

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1970年代から使用され始め、歩兵部隊、戦車の同軸機銃、車両・ヘリコプター・舟艇への搭載用まで幅広く運用されている。中量級の機関銃としてはもっとも軽く、高い信頼性を持っている。また、結果的にNATO諸国との火器の標準化を果たしたこととなり、これらの点が高く評価されている。

M240の制式名はシリーズ全体を識別するために割り振られている。しかし、この他にも特殊モデルや同軸機銃モデルが存在する。多数の派生型が運用に就いているが、大まかには次のように分類される。

M240
1977年に陸軍が戦車の同軸機銃として採用した。このバージョンはFN MAGの改修型であり、それまでのM60E2やM73A1(M219)などの従来の同軸機銃(MG3やAA-52の同軸機銃バージョンも含む)を置き換えた。1980年代には、M1エイブラムス戦車の同軸機銃として採用された。
M240E1
1980年代に海兵隊が装甲車搭載機銃として採用した。ピストルグリップにかわりスペードグリップを持ち、銃床は装着されない。
M240B
1991年から陸軍が地上戦用として配備し始めたバージョン。反動吸収バッファと前部過熱ガード(ヒートシールド)を装備している。M60を始めとする他の軽機関銃を置き換えるために採用された。
M240G
1994年に、M60に代わり海兵隊が採用し始めたバージョンで、歩兵が携行する他、車両搭載用としても採用された。
すべてのモデルは、射撃直後に自動分解する金属製M13 リンクにより7.62x51mm NATO弾(通常弾、曳光弾、徹甲弾など)を給弾する方式となっている。これらの派生型は全て機関部が共通となっており、重要パーツすら他のモデルやNATO加盟国のFN MAG(またはその派生型)と交換が可能になっている。これらのモデルとM240の主要な相違点は、重量と若干の特徴(反動吸収バッファなど)である。製造は、武器に関して長い歴史を持つFN社の、アメリカ子会社で行われている

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発射手順
発射可能にするには、まず装填ハンドルを手前に引いて遊底(ボルト)を後部に固定し、安全な場所に置いた後で装填ハンドルを前に押し出す。その後で給弾カバーを開き、給弾トレイに弾薬ベルトを載せる。給弾カバーを閉じれば発射可能となる。

射撃が終わったあと、携行のためM240をクリアにするためには、遊底を後部に固定し、安全な場所に置く。給弾カバーを開け、もし給弾ベルトが残っていれば給弾トレイから外し、弾薬が薬室に残っていないかどうか、給弾トレイと遊底の前面を目視で確認する。トレイ上に給弾リンクや空薬莢が残っていれば撤去する。

もし不幸にも遊底の先端に実包が見えた場合は、清掃用ロッドか堅いものでゆっくり叩きながら実包を取り外す。もし薬室に実包が残っている場合、かつ、銃身が加熱している場合には、射手はすぐに銃から離れ、実包を取り出すことができるかどうか検討し、可能であれば銃身がじゅうぶんに冷えるのを待ってから実包を取り外す。この手順を省き、給弾カバーを開けたまま銃身を交換しようとすれば、弾薬がすぐに撃発する原因となり得る。

実包を取り除いたあと、一度引き金を引いてから、装填ハンドルを手前に引く。これで、安全な状態となる。

これらの手順は、確認漏れの場合などに実弾発射の原因となるので、銃身が安全な方向を向いている状態で作業しなければならない。

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発射速度の変更
発射速度は3段階に調整できる。初期設定では750発/分となっている。他の二つの設定は100発/分と、850-950発/分である。これらの設定は、まず銃身を取り外し、ガス調整弁を取り外し、レギュレーターを回すことで変更可能である。作戦中に設定を変更することは望ましくないので、作戦実行前に調整すべきである。

銃身の交換方法
銃身は非常に素早く交換できる。左側に銃身交換ボタンがあり、M240をクリアにした後、交換ボタンを押す。銃身は機関部から外れ、中程から右側に動く。ここでボタンを離し、機関部から外れた銃身を、キャリングハンドルを使って手前に引き抜く(キャリングハンドルは銃身に直接付いている)。次に新しい銃身を差し込んで機関部にセットし、キャリングハンドルを右に倒して定位置にロックする。

発砲が長時間におよんだ場合、むき出しの皮膚と銃身が触れないように気をつけなければならない。銃身は熱くないように見えても、第二度のやけどを起こすのに十分な熱をもっていることがある。このような銃身は暗視装置で見た場合、誰にでも明るく輝いて見える。

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種類 軍用機関銃
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造 FNハースタル(設計・製造)
USオードナンス(製造)
仕様
種別 汎用機関銃
口径 7.62mm
銃身長 627mm
使用弾薬 7.62x51mm NATO弾
装弾数 ベルト給弾式
作動方式 ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ティルティングボルト、オープンボルト
全長 1,245mm
重量 12,500g
発射速度 650-950発/分
銃口初速 905m/秒
有効射程 800m(二脚)
1,800m(三脚)
3,725m(最大射程)
歴史
設計年 1958年
製造期間 1977年-
配備期間 1977年-
配備先 アメリカ軍
関連戦争・紛争 湾岸戦争
イラク戦争
アフガニスタン紛争

 


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