ホンダ・NS250R(痛バイク)
NS(エヌエス)とは、本田技研工業がかつて製造発売したオートバイのシリーズ商標である。
1980年代半ばから製造された水冷2ストロークエンジンを搭載するロードスポーツのシリーズ商標で排気量別に50㏄・125㏄・250㏄・400㏄クラスモデルが製造販売されていたが、自動車排出ガス規制の影響により1999年にNS-1を最後に現在すべて終了した。
いずれのモデルも水冷2ストロークエンジンのほか、共通事項として6速マニュアルトランスミッションを搭載。さらにサスペンションは前輪がテレスコピック、後輪がプロリンク式スイングアームとしており、フレームは50㏄モデルがセミダブルクレードル型となるほかは、ダブルクレードル型を採用する。
NS250R/F
1984年4月25日発表、同年5月25日発売。フルカウルを装着するレーサーレプリカタイプとしたのがNS250R、ネイキッドとしたのがNS250Fで型式名は共にMC11。
HRC製レーシングマシンRS250Rと同時開発され、搭載される排気量248㏄のMC11E型90°バンクV型2気筒エンジンはクランクケースならびに内径x行程が同一であるほか、以下の基本設計を共用する。
NSシリンダー - ポートタイミングのみ変更
マニュアルトランスミッション - ギア比変更
キャブレター・リードバルブ - 口径のみダウン
フレーム - 角型断面構造ならびに骨格のみ共用
このほか、NS500用に低中速域でのトルクアップを目的に開発された排気管容量可変システムATACや急ブレーキ時のフロントフォーク減衰力調整機構 TRAC[注 3]などを装備する。
またFはRから単純にカウルを除去し価格を10万円ほど下げたモデルではなく、以下に示す装備品の相違がある。
フレーム - R:アルミニウム製 F:スチール製
ホイール - R:NSコムスター F:ブーメランコムスター
キャブレター型式 - R:TA06 F:TA07
ダブルホーン・リヤフャークスタビライザー - Fのみ装着
1986年1月21日には、1985年度ロードレース世界選手権でフレディ・スペンサーの500cc・250cc両クラス制覇を記念したレプリカのロスマンズカラーモデルを同月22日から4,000台限定で発売された。
車名 NS250R
型式 MC11
全長(m) 2.005
全幅(m) 0.720
全高(m) 1.040
最低地上高(m) 0.145
ホイールベース(m)1.375
シート高(m) 0.780
車両重量(kg) 161
最低回転半径(m)2.8
50㎞/h定地走行燃費 36.0㎞/L
60㎞/h定地走行燃費 27.0㎞/L
原動機型式名 MC11E
冷却・行程 水冷2ストロークピストンリードバルブ
シリンダー配置 90°バンクV型2気筒
総排気量 248cc
内径x行程(mm) 56.0x50.6
圧縮比 7.0
キャブレター TA06
最高出力 45ps/9,500rpm
最大トルク 1.7kg-m
/8,500rpm 3.6kg-m
/8,500rpm 5.1kg-m
/8,000rpm
始動方式 キックスターター
点火装置 CDI式マグネット
潤滑方式 分離潤滑
潤滑油容量 1.7L
燃料タンク容量 19.0L
クラッチ 湿式多板
変速方式 左足動式リターン
変速機 常時噛合6段
1速 2.800
2速 1.800
3速 1.375
4速 1.153
5速 1.000
6速 0.900
1次減速比 2.481
2次減速比 2.800
フレーム形式 ダブルグレードル
フロントサスペンション テレスコピック(円筒空気バネ併用)
リヤサスペンション プロリンク式スイングアーム
キャスター 27°15′
トレール(mm) 100.0
タイヤ(前) 100/90-16 54S
タイヤ(後) 110/90-17 60S
前輪ブレーキ 油圧式ダブルディスク
後輪ブレーキ 機械式ドラム 油圧式シングルディスク