樽見鉄道ハイモ295-610形気動車 (たるみてつどうハイモ295-610がたきどうしゃ)は、2002年(平成14年)に製造された三木鉄道ミキ300-105を2009年(平成21年)に譲受した樽見鉄道の気動車である。
概要
1985年(昭和60年)4月に日本国有鉄道三木線を第三セクターに転換して開業した三木鉄道では、開業以来ミキ180形2両で運転していたが、1998年(平成10年)に三木駅の信号設備改良による増発が行われ、所要車両数増加に対応してミキ300形1両が製造された。 その後、1999年(平成11年)、2002年(平成14年)にミキ180形の代替用として各1両が製造されている。2008年(平成20年)3月末に三木鉄道は廃止、ミキ300形のうち2両は競売にかけられ、ミキ300-105は樽見鉄道が落札[、ハイモ295-617となった。樽見鉄道では当初内外装とも変更を施さずに使用されたが、2014年(平成26年)に外部塗装が変更されている。形式名「ハイモ」は「ハイスピードモーターカー」の略、295は馬力表示の機関出力を意味している。樽見鉄道にはすでにほぼ同型のハイモ295-510形が存在したが、ハイモ295-510形は車内がロングシートだった一方、ミキ300形はセミクロスシートだったため、別形式となった。
車体
ミキ180形はバスの構体を流用したリベット構造だったが、ミキ300形では一般的な鉄道車両と同じ溶接構造となった。前面は貫通式、乗務員室は左側に設けられ、乗務員用扉が設けられた。トイレは設置されていない。車椅子での乗降を考慮し、幅広の引き戸の客用扉が片側2か所、両車端に設けられた。扉間には上段固定、下段上昇の2段窓6か所が備えられた。車体外部はミキ180形と同じ公募により決まった三木鉄道標準色で、白をベースに美嚢川を表す青を車体下部に巻き、車体中央部には赤い帯が入っている。
車内はセミクロスシートで、通路を挟んで左右に4人掛けボックスシートが4組ずつ設けられた。通路の左右でボックスシート一組分ずらして配置されており、扉付近には車椅子スペースが設けられた。
走行装置
エンジンは、電子制御の日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン定格出力(217 kW / 2,100 rpm)を1基搭載、動力は神鋼造機製SCAR0.91B-4D1液体変速機(変速2速、直結1速)を介して2軸駆動の台車に伝達される。台車は上揺れ枕空気ばね式FU50D/Tが採用された。制動装置は従来車との併結を考慮してSME三管式直通ブレーキが採用された。デッドマン装置、戸閉保安装置、列車無線などが設置され、保安度の向上がはかられた。
空調装置
暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式である。冷房装置は機関直結式の能力27.9 kW(24,000 kcal/h)のBCU50が1基設置された。
車歴
ハイモ295-610形
形式 車両番号 製造 三木番号 三木廃止 樽見入籍
ハイモ295-610 ハイモ295-617 2002年12月 ミキ300-105 2008年3月 2009年3月
運用
ミキ300形は、三木駅の信号設備改良による増発用としてミキ300-103が1998年(平成10年)に、従来のミキ180形の代替用としてミキ300-104、105が1999年(平成11年)、2002年(平成14年)に製造された。車両番号はミキ180形と連番になっている。2008年(平成20年)3月末に三木鉄道は廃止となり、ミキ300-105は競売で樽見鉄道に売却された。ミキ300-105は2008年(平成20年)12月9日から11日にかけて三木駅から本巣駅まで陸送され、ハイモ295-617に改番、試運転ののち2009年(平成21年)3月1日から営業運転に使用され、代替としてハイモ230-301が廃車された。樽見鉄道にはすでにほぼ同型のハイモ295-510形が存在したが、ハイモ295-510形は車内がロングシートだった一方、ミキ300形はセミクロスシートであるなど仕様が異なるため、別形式となった。樽見鉄道では三木鉄道時代の内外装に大きな変更を施すことなく使用されたが、2014年(平成26年)10月にケーブルテレビ局の広告塗装に変更されている。
樽見鉄道ハイモ295-610形気動車
ハイモ295-617 2011年4月
ハイモ295-617
2011年4月
基本情報
運用者 樽見鉄道
製造所 富士重工業
種車 三木鉄道ミキ300形気動車
製造初年 2002年
導入年 2009年
総数 1両
運用開始 2009年3月1日
主要諸元
軌間 1,067 mm
最高速度 95 km/h
車両定員 116名
(座席57名)
自重 29.7 t
全長 18,500 mm
車体長 18,000 mm
全幅 3,090 mm
車体幅 2,700 mm
全高 4,000 mm
車体高 3,690 mm
床面高さ 1,240 mm
車体 普通鋼
台車 揺れ枕:上枕式空気ばね
軸箱支持:ペデスタル式
FU50D/FU50T
車輪径 810 mm
固定軸距 1,900 mm
台車中心間距離 13,000 mm
機関 日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン
機関出力 217 kW (295 PS) / 2,100 rpm
変速機 液体式(SCAR0.91B-4D1)
変速段 変速2段、直結1段
制動装置 SME
保安装置 ATS-ST
概要
1985年(昭和60年)4月に日本国有鉄道三木線を第三セクターに転換して開業した三木鉄道では、開業以来ミキ180形2両で運転していたが、1998年(平成10年)に三木駅の信号設備改良による増発が行われ、所要車両数増加に対応してミキ300形1両が製造された。 その後、1999年(平成11年)、2002年(平成14年)にミキ180形の代替用として各1両が製造されている。2008年(平成20年)3月末に三木鉄道は廃止、ミキ300形のうち2両は競売にかけられ、ミキ300-105は樽見鉄道が落札[、ハイモ295-617となった。樽見鉄道では当初内外装とも変更を施さずに使用されたが、2014年(平成26年)に外部塗装が変更されている。形式名「ハイモ」は「ハイスピードモーターカー」の略、295は馬力表示の機関出力を意味している。樽見鉄道にはすでにほぼ同型のハイモ295-510形が存在したが、ハイモ295-510形は車内がロングシートだった一方、ミキ300形はセミクロスシートだったため、別形式となった。
車体
ミキ180形はバスの構体を流用したリベット構造だったが、ミキ300形では一般的な鉄道車両と同じ溶接構造となった。前面は貫通式、乗務員室は左側に設けられ、乗務員用扉が設けられた。トイレは設置されていない。車椅子での乗降を考慮し、幅広の引き戸の客用扉が片側2か所、両車端に設けられた。扉間には上段固定、下段上昇の2段窓6か所が備えられた。車体外部はミキ180形と同じ公募により決まった三木鉄道標準色で、白をベースに美嚢川を表す青を車体下部に巻き、車体中央部には赤い帯が入っている。
車内はセミクロスシートで、通路を挟んで左右に4人掛けボックスシートが4組ずつ設けられた。通路の左右でボックスシート一組分ずらして配置されており、扉付近には車椅子スペースが設けられた。
走行装置
エンジンは、電子制御の日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン定格出力(217 kW / 2,100 rpm)を1基搭載、動力は神鋼造機製SCAR0.91B-4D1液体変速機(変速2速、直結1速)を介して2軸駆動の台車に伝達される。台車は上揺れ枕空気ばね式FU50D/Tが採用された。制動装置は従来車との併結を考慮してSME三管式直通ブレーキが採用された。デッドマン装置、戸閉保安装置、列車無線などが設置され、保安度の向上がはかられた。
空調装置
暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式である。冷房装置は機関直結式の能力27.9 kW(24,000 kcal/h)のBCU50が1基設置された。
車歴
ハイモ295-610形
形式 車両番号 製造 三木番号 三木廃止 樽見入籍
ハイモ295-610 ハイモ295-617 2002年12月 ミキ300-105 2008年3月 2009年3月
運用
ミキ300形は、三木駅の信号設備改良による増発用としてミキ300-103が1998年(平成10年)に、従来のミキ180形の代替用としてミキ300-104、105が1999年(平成11年)、2002年(平成14年)に製造された。車両番号はミキ180形と連番になっている。2008年(平成20年)3月末に三木鉄道は廃止となり、ミキ300-105は競売で樽見鉄道に売却された。ミキ300-105は2008年(平成20年)12月9日から11日にかけて三木駅から本巣駅まで陸送され、ハイモ295-617に改番、試運転ののち2009年(平成21年)3月1日から営業運転に使用され、代替としてハイモ230-301が廃車された。樽見鉄道にはすでにほぼ同型のハイモ295-510形が存在したが、ハイモ295-510形は車内がロングシートだった一方、ミキ300形はセミクロスシートであるなど仕様が異なるため、別形式となった。樽見鉄道では三木鉄道時代の内外装に大きな変更を施すことなく使用されたが、2014年(平成26年)10月にケーブルテレビ局の広告塗装に変更されている。
樽見鉄道ハイモ295-610形気動車
ハイモ295-617 2011年4月
ハイモ295-617
2011年4月
基本情報
運用者 樽見鉄道
製造所 富士重工業
種車 三木鉄道ミキ300形気動車
製造初年 2002年
導入年 2009年
総数 1両
運用開始 2009年3月1日
主要諸元
軌間 1,067 mm
最高速度 95 km/h
車両定員 116名
(座席57名)
自重 29.7 t
全長 18,500 mm
車体長 18,000 mm
全幅 3,090 mm
車体幅 2,700 mm
全高 4,000 mm
車体高 3,690 mm
床面高さ 1,240 mm
車体 普通鋼
台車 揺れ枕:上枕式空気ばね
軸箱支持:ペデスタル式
FU50D/FU50T
車輪径 810 mm
固定軸距 1,900 mm
台車中心間距離 13,000 mm
機関 日産ディーゼル製PF6HT03ディーゼルエンジン
機関出力 217 kW (295 PS) / 2,100 rpm
変速機 液体式(SCAR0.91B-4D1)
変速段 変速2段、直結1段
制動装置 SME
保安装置 ATS-ST