日立製作所で製作された液体式ディーゼル機関車(50t機)です。
1968年2月の日立製作所製である。東水島 - 倉敷貨物ターミナル間の区間列車や駅構内の入換に充当されています。エンジンはDMF31SBの500psを1台搭載しています。今現在、民営の鉄道向けに納入された1エンジン機で現役で稼動している車両の一つです。
ディーゼル機関車は、ディーゼルエンジンを動力源とする機関車の事です。DL(Diesel Locomotive)とも呼ばれます。過去にはディーゼルエンジンと同じ内燃機関であるガソリンエンジンを使用した機関車も存在していたため、内燃機関を動力源とする機関車を一括して内燃機関車と呼んでいましたが、現在日本ではガソリン機関車は用いられていないため、日本の現役内燃機関車の全てがディーゼル機関車となっており、内燃機関車よりもディーゼル機関車の呼称のほうが一般に定着しています。
液体式(流体式)気動車の動力伝達にトルクコンバータ(日本では俗にトルコンと呼ばれる。以後トルコンと略)を用いた方式です。かつては液圧式と呼んでいたが、静油圧駆動方式が登場してから液体式と呼ばれるようになりました。この駆動システムは気動車での使用が一般的であるが、交流電源の整流技術が未発達の頃、クモヤ790形試作交流電車において、回転数の連続可変制御が難しい交流電動機、の段付き(トルク変動)を吸収するために用いられたこともありました。トルコンとは、比較的低粘度の液体(変速機油)を満たして密封したケースの中で、入力軸に油の流れを生むポンプインペラーと、出力軸に油の流れを受けるタービンランナーの二つの羽根車を向き合わせ、それぞれの中間に置かれたステーターと呼ばれる固定子でタービンランナーから戻る油を整流して、戻り油のエネルギーをポンプインペラー側に還元し、トルクを増幅する装置です。このトルク増幅作用が流体クラッチ・フルードカップリングと異なる点です。構造上、入力側と出力側の回転数の差が少なくなるとトルク増幅効果は薄れていき、固定されているステーターが流速の上がった戻り油に対して逆に抵抗となり始め、損失が増えていく。また、トルコンのみでは大きな変速比を得られないため、中・高速域での加速力と低燃費の両立を求められる近年の気動車では、トルコンに頼らない領域(直結段)で、2 - 4段の変速ギアと組み合わされて使われています。これらは、自動車の「オートマチックトランスミッション」と同様の構造と働きであり、遊星歯車機構を電子制御することにより、日本の機械式では果たせなかった多段変速機の総括制御を実現し ました。
国鉄初の量産液体式気動車であるキハ10系(写真は茨城交通に譲渡されたキハ11形)
1950年代に日本国有鉄道(国鉄)に採用され、2010年時点でも一部で使われている液体式変速機であるTC-2とDF115は、ともに戦前に設計された国外の製品を国産化したもので、運転席にある変速切替レバー(中立・変速・直結の3段切替)により、発進時にレバーを「中立」から「変速」に切り替えることにより直変クラッチ部の変速クラッチが作動してエンジンからの動力がトルコンに伝達され、フリーホイール(外輪と内輪の間にコロまたはスチールボールを挿入したもので外輪の回転がコロのくさび効果で内輪に伝達される機構)を経由して出力軸に伝達される。この状態が発進から中速までの速度域を受け持ち、中速から最高速まではレバーを「変速」から「直結」に切り替えることにより直変クラッチ部の直結クラッチが作動してエンジンからの動力を直結で出力軸に伝達を行っていたため、上記のような変速ギアを備えていなかった。両者の切り替え速度は共に45km/hであるが、その操作は運転士の判断による手動である。また、惰行時や制動から停止までは「中立」に切り替え、動力の伝達は行わない。そのため、特に入出力の回転差を吸収する機構が無く衝動が発生しやすい直結段での再力行時には、その時々の速度に応じ、中立位置で予めエンジンを適切な回転数に合わせる「空吹かし」(自動車の運転で言うダブルクラッチ)が必要となる。国鉄形気動車はコストダウンの必要からエンジン回転計は備わっておらず、スムーズな操作には相応の技量が求められる。
当時、機械式、電気式との比較で論じられていたこの方式の長所短所は、次のとおりです。
長所
気動車・小型機関車に使用する場合は、電気式よりも低コスト・軽量・コンパクトに仕上がる。電気式よりも軽量のため、軸重が軽く、支線へも入線することが可能である。
総括制御可能。
機械式よりも運転操作は容易。
同規模の電気式と比較して起動時の牽引力が大きい。
短所
変速機の構造が極めて複雑で高価である。
大量の変速機油が必要で、以前はシールの品質管理や組み付けも難点とされた。
トルコン内の滑り現象による損失が避けられず、動力伝達効率が80 - 85%程度と、電気式にやや劣る。
大出力エンジンへの適応性では、電気式に劣る
変速機油の過熱を抑える必要があるため、変速段のままでの長時間の力行に適さない。
鉄道用の液体式変速機は、1930年代にドイツやスウェーデンなどで開発された。日本では鉄道省で1936年から試験が行われていたが、戦時体制下での燃料統制もあって本格採用は遅れ、1953年の国鉄キハ44500形気動車から制式採用となった。以来、在来車の換装も含め、国私鉄を問わず日本のディーゼル鉄道車両のほとんどが液体式変速機を用いるほどの普及を示している。
世界的に、気動車や小型ディーゼル機関車に多く用いられるが、一時のドイツや日本では、大型ディーゼル機関車にも好んで使われた。多彩な方式があるが、日本で広く用いられているものは以下の2方式いずれかの系統に属する。