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トヨタ・コースター3代目・B40、50系

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コースター (COASTER) は、トヨタ自動車が製造するキャブオーバー型のマイクロバスである。
ビッグバン(1ナンバー)やキャンピングカー(8ナンバー)としての登録も多く、テレビ放送局などでのロケバスとしても多く用いられている。また、日産・シビリアン同様、コミュニティバス用として導入している国内事業者もある。日本国内での用途廃車後、途上国へ中古車として輸出されるケースが多い車両でもある。
系列の日野自動車にはリエッセIIの車名でOEM供給(3代目中途以降)されている。

輸出仕様につり革、非常口、降車ブザーなどを備えた路線仕様も存在し、香港において運行されているミニバス(Public Light Bus)のほとんどがコースターLPGを使用している。また、香港向けに開発された1BZ 型 4.1 L LPGエンジン搭載車も、3代目から日本で発売され、コースター /リエッセ に設定され幼稚園バス等で使用されている。
欧州では、ポルトガルのサルバドール・カエターノがコースターのシャーシに独自の車体を架装し、オプティモの名で販売している。


1992年(平成4年)12月、フルモデルチェンジ。大型の新CIを擁した、フラッシュサーフェイスボディーにモデルチェンジ。ホイールベースは、標準の3,200 mmとロングの3,935 mm の2種、全長はそれぞれ6,255 mmと6,990 mmとなる。バスには標準ルーフとハイルーフがあり、ビッグバンはハイルーフのみが設定されている。バスは標準で背面にトランクリッドを持ち、室内とつながっている。左右非対称の観音開きバックドアはビッグバンに標準で、バスではオプションとなる。また、給油口が右側から左側に変更された。
客用(左側)ドアは従来どおり折戸とグライドドアの2種類で、定員と最大積載量はバスが20(スーパーラウンジ) / 26 / 29名で、幼児車は大人3名+幼児39名 / 大人3名+幼児49名、ビッグバンは9名+貨物1,250 kgとなっている。バスのロングに冷蔵庫を装備した場合は定員が1名減となるほか、上級グレードは後席からの前方視界を確保するため、床が後に向けて階段状に高くなるファインビューフロアを採用した。
ビッグバンは準中型免許(標準ボディは、5トン限定でも運転可能)が必要となる。
エンジンは直列6気筒の1HZ型、1HD-FT型、直列4気筒の3B型、15B-FT型の他、仕向け地により、3RZ-FE型(ナイジェリア)、14B(アフリカ大陸)も設定された。
幼児車は当初丸形4灯ヘッドランプであったが、後に異型2灯に変更されている。ただし、輸出向けモデルには丸形4灯が多数設定されている。
最小回転半径はロングホイールベースが6.5 m、標準ホイールベースが5.5 m。
1995年(平成7年)4月、平成6年排出ガス規制適合と同時に直列4気筒、4.1 L の15B-FT型エンジンを搭載する、シリーズ初の4WDを追加。これは高機動シャーシ(メガクルーザーも同様)を流用したフルタイム4WDであるが、コースターではハブリダクションや副変速機は省かれている。
1996年(平成8年)5月、日野自動車にレインボー ABの後継としてリエッセ II (Liesse II)としてOEM供給を開始した。これと同時に、日野自動車からリアエンジンのリエッセ(RX)の相互OEMを受け、コースターRとして販売されていたが、2015年(平成27年)現在、トヨタ自動車から日野自動車への供給のみで、コースターRの販売は終了、リエッセ(RX)も生産終了している。
1999年(平成11年)、一部改良が行われた。平成10年排出ガス規制適合。4気筒エンジンは15B-FT型から15B-FTE型に変更されて4WDのみの設定となり、6気筒エンジンは1HD-FT型から1HD-FTE型に変更された。また、衝撃吸収式ステアリングコラムとホイールに変更された。


2000年(平成12年)10月、第34回東京モーターショーに「ハイブリッド遊覧バス」が出品された。後述のハイブリッド仕様がベースで、テーマパーク内での輸送を想定しているため、客席部は開放構造で窓ガラスが無い。また車椅子にも対応している。
2001年(平成13年)8月、マイナーチェンジが行われた。平成12年騒音規制適合、フロントグリルのデザイン変更、リアターンシグナルランプレンズのクリアー化、ブレーキランプの外側2灯化。
2002年(平成14年)3月、日本仕様にもLPGエンジンの1BZ-FPE型が設定される。ただし5MTのみ。
2004年(平成16年)7月、新短期規制に適合させるため、国内での1HD、1HZの各6気筒ディーゼルエンジンと、B系4気筒ディーゼルエンジンが廃止され、ディーゼルエンジンは全て日野自動車製N04C-T系となり、車両型式記号はXZBとなる。
2005年(平成17年)12月、一部グレードに6速AT車追加。
2007年(平成19年)7月24日、マイナーチェンジが行われた。ディーゼルエンジンを新長期排出ガス規制に適合、ATを全車6速に変更、MTは6速が廃止され、全車5速化された。同時に、ヘッドライト、コーナーマーカー、フロントグリル、シート表皮などが変更され、サイドに方向指示器が追加された。カーナビと後方監視モニターがダッシュボード内に一体化した。
2009年(平成21年)7月2日、一部改良(発売は8月3日より)。パワードアロックを助手席ドア、センタードア、バックドアにも装着して利便性を向上すると共に、メーターパネルを一新した。
2011年(平成23年)8月22日、一部改良。高圧コモンレール式燃料噴射システムや高性能触媒DPRを改良した新型ディーゼルエンジンN04C-UP型(バス「GX(ロングボディ・ハイルーフ車)」とバス「EX」の6速AT車はN04C-VF型)を搭載し、排出ガスのクリーン化を図ったことで、平成22年(ポスト新長期)排出ガス規制をクリアした。


2014年(平成26年)10月28日、「幼児専用車 後付け保護パッドセット」を発売。2013年3月に定められた「幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン」に基づいて設定されたもので、背もたれの後部上面にクッションを追加して背もたれを高くするシートバッククッションと幼児席最前列シート前(運転席後方・助手席側最前列)や乗降口付近のシート前のパイプ付近にクッションを装着した後付けプロテクターで構成され、急ブレーキや衝撃などが生じた際に幼児の前方座席への接触による衝撃の緩和や前方への飛び出し防止に寄与する。オプションパーツであるが、3代目のバス「幼児専用車」であれば販売店で後付け装着が可能である。ボディ仕様に合わせてシートバッククッションの入数が異なる「標準ボディ用」と「ロングボディ用」の2種類が用意される。
2014年(平成26年)12月24日、一部改良(発売は2015年1月13日より)。ディーゼル車において新型ディーゼルエンジンであるN04C-VJ型(バス「GX(ロングボディ・ハイルーフ車)」とバス「EX」の6速AT車はN04C-VK型)に置換し、燃費を向上したことで、5速MT車は全車「平成27年度燃費基準+5%」を、6速AT車はバス「GX(ロングボディ・ハイルーフ車)」とバス「EX」を除く全車で「平成27年度燃費基準」をそれぞれ達成した。また、バス「幼児専用車」を除く全グレードで運転席・助手席・リアシートにリクライニング機構を追加し、ELR付シートベルトを全シート(運転席・助手席・リアシートは3点式、補助シートは2点式)に標準装備し、バス「LX」・バス「GX」は後部にラゲージスペースを確保し、バックドアを観音扉とした25人乗り仕様を新設定した。バス「幼児専用車」は「幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン」に基づいて幼児席のシートバックの大型化とパイプ部分(幼児席最前列シート前など)にクッション材のプロテクターを装備した。
3枚折り戸仕様、ロングボディのリアオーバーハングをさらに引き伸ばした「スーパーロング」、逆に標準ボディのリアオーバーハングを縮めた「超ショート」等の特注・受注生産となる仕様もある。ボディーの伸縮は、客席窓の大きさ(ピラーの間隔)に合わせ、それぞれ735 mmづつとなっている。標準ボディと超ショートの最小回転半径は上記の通り5.5 mで、トレッドが狭いため6.1 - 6.3 mを要するハイエーススーパーロングよりも小さく、さらに超ショートでは旋回時のリアのせり出しも少なくなり、高さを含む駐車スペースと道路幅さえ許せば使い勝手に優れる選択となる。この特徴により、超ショートはキャンピングカーのベースとして愛好家の一部から支持されている。また、中米エルサルバドル向けに後方部にドアを追加した2ドア仕様も生産されている。

トヨタ・コースター(3代目)
B40・50系
Toyota Coaster 009.JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1992年12月 -
2017年1月22日
乗車定員 9 - 29人
ボディタイプ 2ドアキャブオーバー
駆動方式 FR/4WD
全長 6,255 - 6,990mm
全幅 2,035mm
全高 2,750mm


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