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鉄道信号機 

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鉄道信号機(てつどうしんごうき)は、鉄道の線路脇に設置されて前方の状況を運転士に伝える装置である。信号機は、運転士に列車が安全に進行できる速度を指示し、または停止を指示する。運転士は信号機の現示を確認してそれに従って運転を行う。信号機は指示を現示する。指示は複数の組み合わせであることもある。路線前方(閉塞区間)における列車の在線状況。列車が進行してよいかどうか。分岐器が正しく開通しているかどうか。どの進路が開通しているか。次の信号機の現示状況。列車の運行順序。

設置場所
閉塞区間の先頭
分岐器や跳ね橋のような可動物の手前
他の信号機の手前
踏切の手前
プラットホームやその他列車が停車する必要のある場所の手前
連動駅
鉄道路線は通常、信号機が連続的に設置されて制御されている。複線では通常、列車の進行方向が1方向に限定されるため、信号機の向きも1方向に向けて設置される。単線並列の区間では、両方の線路に双方向に信号機が設置される。側線や留置線・車両基地・操車場内での列車は信号機で制御されないが、車両基地や操車場と本線の出入り線などは制御されることが多い。

現示と指示
現示とは、信号機の見た目、表示状況であり、指示とは現示が意味する内容を指す。日本ではルートシグナルとスピードシグナルを兼ねて現示するのに対し、アメリカでは、信号機の指示に慣習的な名前が付けられており、例えば"Medium Approach"とは「中くらいの速度を超えずに前進して、次の信号機での停止に備える」という意味である。歴史的に鉄道事業者によりそれぞれ異なった意味が同じ現示に対して与えられているため、合併によって誕生した現代の鉄道事業者では、地域ごとに信号現示の解釈規則が異なることも珍しくない。
色灯式の信号機において、各灯火の色が全体の灯火組み合わせに包含されているという点は重要である。例えばアメリカにおいては、進行現示として赤の灯火の上に緑の灯火を表示するものが多い。この場合、赤の灯火は停止現示を意味するのではなく、現示の組み合わせ要素であるに過ぎない。灯火が消灯している場合など、現示が完全に表示されていない場合には、表示されているものから推測しうる最も制限の厳しい指示と受け取られる。
信号機は、設置されている位置から先の区間において、列車の動きを制御する。また、前方に設置されている信号機の状態に関する情報を伝える。信号機は、前方の分岐器や線路の区間を「防護する」(protect) と呼ばれる。前方の (ahead of)、という言葉はしばしば誤解を招くため、公式には外方 (in rear of)、内方 (in advance of) という言葉が用いられる。列車が信号機によって停止している時、その列車は信号機の外方におり、信号機によって防護されている区間(閉塞区間)が内方である。

信号機には絶対信号機 (absolute signal) と許容信号機 (permissive signal) の区別がある。絶対信号機では停止現示が出ている時にはそこから前進することは許されないが、許容信号機では停止現示が出ていても、手前で一定時間停止した後、低速で前進することが許されている。さらに、許容信号機の中には勾配信号機 (grade signal) として指定されるものがあり、この場合は停止現示でも列車は実際に停止せずに、いつでも停止できる程度の速度に落としてそのまま前進することが許される。これは重量貨物列車など、上り勾配区間で一度停止してしまうと再発進が困難な列車に対応するために設けられている規定である。連動装置によって制御されている信号機は一般的に絶対信号機であり、在線状況によって自動的に現示が変化するような信号機は一般的に許容信号機である。
運転士はどの信号機が自動的に現示変化するものであるかに注意を払う必要がある。イギリスでは、そのような信号機には黒い水平線を引いた白い四角の板が取り付けられている。そして、そのような信号機で停止現示に遭遇した場合、列車無線や信号機に備えられている電話で信号扱手と連絡を取ることができなければ、運転士の権限で先へ進むことができる。しかしながら、連動装置で制御されている信号機や準自動変化の信号機(黒い水平線の上に"semi"と書かれている)では、運転士だけの判断で進行することはできない。
自動車の信号機と違い、表示は運転士のためだけに行っている場合がある。このため、編成が長い列車の場合、乗客や外から見ている人には信号無視に見えるが異常では無い。(閉塞されるため先頭車両が通過するとその編成が残っていても赤信号となる。

 


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