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ひゅうが型護衛艦いせ � 海上自衛隊

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ヘリコプター運用能力、護衛隊群旗艦能力をはるな型より発展させる事が要求されたことと、各種の能力向上もあり、基準排水量は歴代自衛艦で最大の13,950トンとなった。満載排水量は推定で19,000トンとされ、イタリア海軍の「ジュゼッペ・ガリバルディ」やスペイン海軍の「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、タイ王国海軍の「チャクリ・ナルエベト」などの軽空母と同等か上回っており、イギリス海軍のヘリコプター揚陸艦「オーシャン」よりは小さい。


船型、装備も従来の駆逐艦、護衛艦と異なるが、海上自衛隊では、ヘリコプター(H)による潜水艦駆逐(DD)を任務とするため、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)と分類している。Mk41 VLSから発射する艦対空ミサイルを主な装備として速射砲は持たず、単艦での戦闘は考慮されていない。
設計時点で固定翼V/STOL機の運用は考慮されておらず、これらの機体を搭載する諸外国の艦の多くが設置しているスキージャンプ勾配も持たない。なお強度的には大型のMH-53Eヘリコプターを運用可能なように設計されている。MH-53Eの全備重量は33.3トンにおよび、ハリアーIIなどの戦闘機を凌駕するものとなっている。


艦橋構造物は右舷に寄せられ、艦首から艦尾まで全通した上甲板(全通甲板)は飛行甲板を兼ね、ヘリコプター3機の同時発着艦を可能としている。艦体の後方3分の1程度が平らなヘリコプター甲板だった従来のDDHや、最初に発表された予想図のような艦形の艦船では不可能だったヘリコプター複数機の同時発着艦運用を可能としている。また、艦橋が視界を遮ったり気流を乱す事も少なくなり、ヘリコプターの着艦作業も容易になった。
艦体や上部構造物はステルス性を考慮して側面には傾斜がつけられ、表面は平滑に整形されている。
船内には旗艦としての運用に備えて司令公室、幕僚事務室、司令部要員の居住スペースを備えるほか、緊急の災害対策本部としての使用も可能なように大型会議室などの設備もある。また、戦闘を任務とする海上自衛隊の艦船としては初めて、設計段階から女性自衛官の居住スペースが確保された。女性自衛官は、17名が乗艦する。

従来のDDHは広いヘリコプター甲板と大きな格納庫を持ち、他の護衛艦に比べればヘリ運用能力が高かったが、それでもヘリコプターは、20分おきに1機しか発着艦できなかった。そのため、飛行中のヘリコプターに問題が起こった時すぐに着艦が出来ない場合があるなど、運用には制約があった。また、格納庫内ではメインローターを広げての整備が行えなかった為、そのような重整備を行う場合には甲板上に出す必要があり、その間発着艦を行う事は出来ず、そもそも悪天候の場合にその様な作業を行う事も出来なかった。
これに対してひゅうが型は、同時に哨戒ヘリコプター3機が発着艦が可能で、さらに輸送用ヘリなどの発着スポットも1つ備える。格納庫と甲板上を合わせて最大11機のヘリコプターを搭載可能であり、広い整備スペースでメインローターを広げ、天候や他のヘリの発着艦に影響されずに整備も出来るようになった。。

 

C4Iシステム:護衛艦としてはじめて、護衛隊群司令部を十分に収容できる規模の司令部施設(旗艦用司令部作戦室・FIC)を設置している。FICは第2甲板、CICの後部に隣接して設置されており、アメリカ海軍の航空母艦や強襲揚陸艦に設置されているTFCC (群司令部指揮所) と同様の機能を有している。ここには、海上自衛隊の基幹指揮回線であるMOFシステムの新型艦上端末であるMTAが設置されている。

MTAは従来使用されてきたC2Tの能力向上版で、個艦の戦闘統制用のCDSと連接されている。また通信機能も増強されており、従来より使用されてきたSUPERBIRD B2に加えて、より高速・大容量のSUPERBIRD Dによる衛星通信を使用できるようになっているほか、必要に応じて、さらに大容量のKuバンド衛星通信を使用する用意もなされている。

また、アメリカ軍との共同作戦を考慮し、アメリカ海軍の基幹指揮回線であるGCCS-Mも設置されている。これは、USC-42 Mini-DAMAを介して、FLTSATCOMなどアメリカ軍のUHF帯衛星通信を使用する。
同じ第2甲板の前方には多目的室が設置されている。ここはOAフロアや可動式の間仕切りを備え、必要に応じてレイアウト変更が可能であり、大規模災害時の自治体責任者を交えた災害対策本部や、海外派遣時の統合任務部隊司令部などに利用される。


CICには、OYQ-10 ACDSが設置され、個艦の戦闘統制に使用される。OYQ-10は、オペレーターの判断支援および操作支援のため、予想される戦術状況に対応して、IF-THENルールを用いて形式化されたデータベースに基くドクトリン管制を採用している。

これにより、オペレーターの関与は必要最小限に抑えられ、意思決定の迅速化を図っている。また、OYQ-10は、NOYQ-1艦内統合ネットワークを介して、対空戦闘システムであるFCS-3、対潜戦闘システムであるOQQ-21、電子戦装置などと連接され、艦全体の戦闘を統括する。これらは、新戦闘指揮システムATECS (Advanced Technology Combat System) と総称されている。


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