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掃海艇「まきしま」「うわじま」型 6番艇 MSC-677(退役)

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掃海艇とは、機雷を排除し、海域の安全を図るのを任務とする軍艦(小型)とあります。第二次世界大戦までは、掃海艇が護衛艦艇や、砲艦として使われることも多かったが、機雷の複雑化にともない、現在では掃海艇は機雷の掃海・掃討専門になっていることがほとんどであるとのこと。但し、一部の掃海艇は運用側の必要により哨戒艦艇としての能力も付与されている。また、掃海具を装備しないで、機雷処理を専門に行なうものを掃討艇と分類される。

まきしま(ローマ字:JS Makishima, MSC-677)は、海上自衛隊の掃海艇。うわじま型掃海艇の6番艇。艇名は牧島に由来する。

「まきしま」は、平成4年度計画掃海艇377号艇として、日立造船神奈川工場で1993年5月12日に起工され、1994年5月26日に進水、1994年12月12日に就役し、同日付で第1掃海隊群隷下に新編された第23掃海隊に「くめじま」とともに編入された。定係港は呉。
1997年3月19日、隊番号の改正により第23掃海隊が第3掃海隊に改称。
1999年3月16日、佐世保地方隊下関基地隊第43掃海隊に編成替え。
2008年3月11日、呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊に編成替え。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣される。
2014年4月2日、除籍。就役期間中の総航程は190,283海里(地球約8.8周分)、総航海時間数は26648時間49分、掃海処理回数21回、航空救難2回、災害派遣3回。

 

海軍軍医のソロモン海戦 特設掃海艇軍医長の戦陣日記 (光人社NF文庫)   杉浦 正明 潮書房光人新社

 


「まきしま」は、うわじま型の6番館です。海上自衛隊初の中深度掃海艇で「はつしま型」の後期建造艇(22、23番艇)をベースに、S-7(1型)機雷処分具をはじめとする中深度掃海装置を搭載した船です。機雷の掃海は、2隻の掃海艇がセットで掃海具を曳航する対艇掃海方式によって行います。S-7(1型)機雷処分具は、超音波水中映像装置をもち、掃海艇の上からモニターでの誘導が行えます。センサーを備え、沈底機雷のほか係維機雷にも対処できます。機雷探知機はZQS-3を装備しています。
肉眼で掃海艇は、木造船だとすぐわかります。艇の見張りの方に伺ったところほぼオール木造との事

   

うわじま型掃海艇(うわじまがたそうかいてい、英語: Uwajima-class minesweepers)は、海上自衛隊の中型掃海艇(Mine Sweeper Coastal, MSC)の艦級。
従来の掃海艇よりも深い中深度域に敷設された機雷への対処能力が付与されており、61中期防および03中期防において計9隻が建造された。

 

MAMOR(マモル) 2019 年 09 月号 [雑誌] (デジタル雑誌)   MAMOR編集部 扶桑社

 

1970年代初期、優勢なアメリカ海軍原子力潜水艦に対抗して、ソビエト連邦軍は機雷の高性能化・深深度化を進めており、アンテナ機雷や短係止上昇式機雷のなかには水深2,000メートルまで敷設可能なものも出現してきた。このような深深度に敷設された機雷には、従来の掃海艇では対処困難であり、海中を航行する潜水艦にとって大きな脅威となった[2][3]。
海上自衛隊においては、特に豊後水道・浦賀水道の2つのチョークポイントに機雷を設置された場合、それぞれ呉基地の第1潜水隊群、横須賀基地の第2潜水隊群の活動が大きく掣肘されることから、深深度の対潜機雷への対処能力の整備は非常に切迫したものとなった。このことから、61中期防においては、中深度域での機雷対処能力を備えた掃海艇(MSC)と、深深度機雷に対処するための1,000トン型掃海艦を整備することとされた。後者として整備されたのがやえやま型(01MSO)であり、前者として整備されたのが本型である。

設計は、おおむね先行するはつしま型最終型(62MSC)を踏襲している[5]。使用樹種は下記のとおりで、キール摩材がケヤキとされた以外はおおむね62MSCと同一である。
ベイマツ - キール・スケグ、船底縦通材、チャイン材、フレーム、外板・甲板
ケヤキ - キール摩材
タモ - 合板
主機関は、62MSCと同系列で出力を増強した6NMU-TA(B)Iに更新された。これは三菱重工業のSU系列ディーゼル(S6U)を非磁性化して技術研究本部が開発した4サイクル6気筒ディーゼルエンジンである。また感応掃海具の電力を賄うための掃海発電機は、62MSCと同じく6NMU-TK-II型1基を搭載する。

装備
センサ
機雷探知機としては、62MSCで搭載されたZQS-2をもとに中深度海域に対応して発展させたZQS-3-1 機雷探知機が搭載された[7]。原型となったZQS-2は、イギリス・プレッシー社のASDIC 193型を参考に技術研究本部が開発したもので、機雷探知用として100キロヘルツ、機雷類別用として300キロヘルツを使用することで、目標を探知すると共に確実に機雷と類別できるようになっていた。
また、対水上捜索レーダーも、62MSCで搭載されたOPS-9の改良型であるOPS-39-Yとされている。

 

砲艦 駆潜艇 水雷艇 掃海艇―それぞれの任務に適した個性的な艦艇 (光人社NF文庫)   大内 建二 潮書房光人新社

 

機雷掃討
機雷処分具S-7 1形
本型では、機雷処分具は中深度に対応したS-7 1形に更新された[1]。これは有線式の遠隔操作無人探査機(ROV)で、円筒形の機体の後方には可動式のスラスターが、前方には上下動用のスラスターがトンネルを設けて設置されている。先端には精密走査用のイメージング・ソナー(超音波水中映像装置)、低光量ビデオカメラおよびサーチライトが装備されている。
機雷処分用として胴体下に処分爆雷1発を搭載しており、海底の機雷に向けて投下して破壊する。
機雷掃海
係維掃海具
係維機雷に対しては、28MSC以来装備化されたオロペサ型係維掃海具である53式普通掃海具(O型)をもとに、対艇掃海によって中深度域の掃海に対応した53式普通掃海具(O型)改6が搭載された。オロペサ型係維掃海具は、展開器と呼ばれる水中凧によって掃海索を左右数百メートルに展開するとともに沈降器によって一定深度に沈下させて曳航し、機雷の係維索を引っ掛けて、掃海索の数カ所に装備した切断器によってこれを切断していくものである[10]。
感応掃海具
磁気機雷に対しては、62MSCと同じく85式磁気掃海具S-6が搭載された。一方、音響機雷に対しては、62MSCの搭載機を発展させた71式音響掃海具S-2改1が搭載された。これは1個の発音体で低周波と中周波を同時発生することができた


うわじま型掃海艇
6番艇の「まきしま」(MSC-677)
基本情報
艦種 中型掃海艇(MSC)
運用者  海上自衛隊
就役期間 1990年 - 2020年
同型艦 9隻
前級 はつしま型
次級 すがしま型
要目
基準排水量 490トン
満載排水量 570トン
全長 58.0 メートル (190.3 ft)
最大幅 9.4メートル (31 ft)
深さ 4.2メートル (14 ft)
吃水 2.9メートル (9.5 ft)
機関方式 CODOE方式
主機 ・三菱6NM-TA(B)Iディーゼルエンジン×2基
・補助電動機×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 1,800馬力
速力 14 ノット (26 km/h)
乗員 45人
兵装 JM61-M 20mm機銃×1門
搭載艇 ・4.9m型複合作業艇×1隻
・ジェミニ・ディンギー処分艇×1隻
レーダー OPS-39-Y 対水上捜索用
ソナー ZQS-3-1 機雷探知機
特殊装備 ・機雷処分具S-7 1形
・53式普通掃海具(O型)改6
・85式磁気掃海具S-6
・71式音響掃海具S-2改1

 

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