鉄製トロ(ホッパ)15T(高萩製作所)
保線車両 最大積載量15tのホッパトロ
ホッパ車(ホッパしゃ、英語 Hopper car)とは、貨車の一種で、ばら積み貨物輸送に特化した貨車のことである。車種記号は「ホ」で表される。
ホッパとは、粒状のものを下に落とすための漏斗形の装置のことである。ホッパ車の積荷としては石灰石などの各種鉱石、砕石、セメント、小麦など、粉状や粒状のもの(粉粒体)である。これらを袋詰めなどにせず、ばら積みの状態でホッパ車に積み込み、目的地に着いてからホッパ車の下部にある取り出し口を開け、中のものを取り出すことができる。 ホッパ車は積載する積荷の形状によって車体の構造が大きく異なるが、主に無蓋型とタンク型に大別できる。
なお、石炭を運ぶ石炭車もホッパ車の一種であるが、日本では石炭車に限りホッパ車とは別物として扱われていた。これは初期の砕石・鉱石用ホッパ車の多くが石炭車をベースに作成されたこと、それぞれの比重に対応させるため設計が異なること、石炭車が基本的にまとまった両数で運用される事などによる。
ホッパ車誕生以前は鉱石・砕石は無蓋車や石炭車にばら積みし、セメント・小麦粉などは袋詰めの上有蓋車を使用していた。1952年(昭和27年)、セメント輸送用の有蓋ホッパ車(タキ2200形)が登場した。当初は適切な車種がなく、暫定的にタンク車に分類されていたが、これを契機に1953年(昭和28年)、ホッパ車が制定された。タキ2200形は、ホキ1形(初代)に改番された。また同時にセキ4000形の改番も行われホキ4000形となりこの2形式が日本最初のホッパ車である。
また石炭車の設計流用によらない日本の砕石・鉱石用ホッパ車は国鉄ホキ2500形が最初であるといわれている。
1963年(昭和38年)7月26日総裁達第366号による大規模なホッパ車の改番が行われた。その内容は、国鉄貨車の車両形式を 1 - 2999に、私有貨車を 3000 以降とすることになり、形式間の移動が行われた。