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排水ポンプ車 災害対策用機械 クボタ

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排水ポンプ車は、台風や豪雨による河川の氾濫により住宅地が浸水した場合や道路が冠水した場合に現場の最前線に速やかに駆けつけ、排水作業を行う車です。
荷台には、排水作業が迅速かつ効率的に行えるように、発動発電機、排水ポンプ、排水ホースなどを装備しています。
車両毎に異なりますが、1分間に30m3~60m3の排水作業ができる能力を有しています。
また、災害の状況に応じて、県や市町村などの自治体、全国の地方整備局で発生した災害現場にて作業するなど、広域的な活動を行っています。搭載しているポンプは一般的な水中ポンプに比べて軽量でありながら、大容量排水となっています。

現在、国土交通省の排水ポンプ車については各地方整備局が排水に特化した、1台で一般的な消防自動車約10台分の排水が可能な(分かり易く言うと、30立方メートル/分の排水能力を持ち、小学校の25mプールなら約10分で空にすることができる)ポンプ車を多数保有している。東日本大震災での仙台空港の排水や、平成23年10月 - 11月のタイ王国での浸水地区の排水に活躍している。


災害復旧用排水ポンプ車 クボタ
用途 緊急時雨水排水用
仕様 吐出量:20~60m3/min
全揚程:10m、20m

クボタでは今後のために使い勝手(軽量化による機動性)の向上を追求。2005年にポンプの小型化に成功し、30~35kgと人力による設置と撤去を可能とした。さらに、この小型ポンプと自家発電機を車両に搭載したことで、自立性・機動性にすぐれた排水ポンプ車を誕生させた。
2008年には、新たな吸水ノズルを開発し、コンクリートなど硬い地面であれば水深8cmまで排水可能とした。8cmはクルマのマフラーも浸らない水深となり、クルマの通行が可能となることで、救助活動や復旧活動の支援にもつながる。また、2010年頃から川の氾濫やゲリラ豪雨による幹線道路の冠水も増えはじめ、ニーズが多様化していったという。

 吸水ノズルは水中に沈めて使うが、フィルターは装備しているものの、洪水や大雨による災害時は水中にさまざまな異物が漂っているため、それらも吸い込んで予想外のダメージを負う場合もあるという。


排水ポンプ車に搭載されている「排水ポンプパッケージ」は、必要な装備を1つにまとめてあり、これと自家発電機があれば排水作業が可能となる。「排水ポンプパッケージ」は単体でも販売されている

ベースとなる車体は日野自動車やいすゞ自動車が製造しているトラックで、そこにクボタの開発者が排水ポンプ機と自家発電機などを荷台に乗せられるように図面を引き、製造されている。もっとも大きいのが22tクラスの排水ポンプ車で、9980×2490×3180mm(全長×全幅×全高)、車重は約1万7300kg。水中モーターポンプ(φ200mm)を12台、300kVAの発電発動機を搭載し、25mプール(25m×10mで水深1m程度)を約10分で空にする能力があるという。他にも11tクラス。さらに普通免許でも運転ができる8tクラスも設定されている。基本的にはMT車だが、要望に合わせてAT車も制作しているという。

 排水ポンプの電源にクルマの動力を使うことはなく、積載している自家発電機のみでまかなわれる。また、2つのポンプを直列に接続すると、高揚程の高さを2倍にできるので、場所によって並列、直列を使い分けて排水作業を行なうという。


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