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スペーシア・ベース スズキ

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スペーシア (Spacia) は、スズキが生産・販売する軽トールワゴン(軽スーパーハイトワゴン)および軽ボンネットバンである。

2008年1月から販売されていた「パレット」に替わる実質的な後継車として発表された。車種名を変えて新型車として発売される背景として、室内寸法、軽量化、燃費性能などに大きな進歩があったからとされている。そのため、パレットの特徴であった両側スライドドアや副変速機構付CVTはスペーシアにも継承されており、車両型式もパレットの「MK」を引き継いでいる。

2022年8月にはかつてのアルトバンの後継として商用(軽ボンネットバン)モデルもラインナップされるようになった。ただし、マツダ向けへの製品(フレアワゴン)には、商用(軽ボンネットバン)モデルは、OEM供給されていない。

英語で「空間」を表す「Space」より。当初は2代目パレットとして開発されていた[注釈 35]が、試作車を社内のあらゆる人に見てもらった結果、「広さがネーミングから連想出来るようになれば」という意見が多かったため、「広いスペースを名前からも分かるように」とスペーシアに変更された。

東武日光線・鬼怒川線系統の特急用電車の愛称とスペルが同一であるが、東武100系電車の車体ロゴは全て大文字 (SPACIA)であるのに対し、当車種では大文字・小文字併用(Spacia)であり、表記が異なる。ちなみに東武100系電車の愛称は一般公募により決定し、東武鉄道の登録商標にもなっているが、乗用車と鉄道車両で種類が異なるため、商標権侵害とはならない。

かつて存在したトヨタ自動車のカローラスパシオ(SPACIO)とは1字違いだが、こちらはイタリア語で「空間」を意味する「SPAZIO」からの造語。しかし、ともに「空間」を表すという共通の意図が垣間見える。

2代目のバリエーションモデルの「ベース」(BASE)は英語で「基地」「拠点」という意味。


ベース

商用モデルであるベースは、カスタムとギアの要所が取り入れられた外観となっており、フロントフェイス(グリル・バンパー)は2021年12月の一部仕様変更前のカスタムの意匠をベースに、メッキの箇所をブラック加飾化。リアコンビネーションランプはギアの意匠をベースにリムをブラックに変更。上位グレードにはギア同様にルーフレールを備える。さらに、ベース独自の意匠として、リアクォーターはスモークガラスからボディカラー同色のパネルに変え、カラードドアミラー・バックドアガーニッシュ・カラードドアハンドルをブラックで統一。内装はインパネカラーパネル、フロアコンソールトレー、フロントドアミドルポケット、リアクォーターポケットのアクセントカラーにグレーイッシュブルーを採用した。


メカニズム
ボディ全体にわたり大空間設計を意識した見直しが図られている。外寸では全高が50 mm、ホイールベースが35 mm拡大。ボンネット高の嵩上げとベルトラインの引き上げに伴う着座位置アップ(前席30 mm/後席15 mm)、先にFMCしたワゴンR同様のドア断面構造改善、ルーフ前後長さの延長により、実質的なキャビン容積は大幅に広げられた。室内高35 mm、幅は25 mm、カップルディスタンス30 mmとそれぞれ初代から拡大している。これらの「成長」に対し、新プラットフォーム・ハーテクトの採用や高張力鋼の拡大採用(重量比45%に達する)など軽量化策を駆使した結果、車重の増加は最大20 kgに抑えられている。

パワートレイン
6代目ワゴンR/4代目ワゴンRスティングレーで採用された、最長で10秒間にわたりモーターによるクリープ走行を可能にするマイルドハイブリッドシステム[注釈 17]を搭載。任意でモーターアシストを増強できるパワーモードスイッチが新設され、CVTは軽量化と高効率化を実現した新型となった。

なお、JC08モード走行での燃費消費率が初代の2017年4月仕様変更後よりも低下したため、ターボ・4WD車以外は燃費基準達成ラベルが格下げとなり、「HYBRID G」の2WD車は「平成32年度燃費基準+20%」達成、「HYBRID G」の2WD車を除くNA車は「平成32年度燃費基準+10%」達成、カスタム「HYBRID XSターボ」の2WD車は平成32年度燃費基準達成となった。

ベースはマイルドハイブリッドシステムや「エコクール」は搭載されないが、停車時アイドリングストップシステムやスズキの軽商用車で初となるCVTの搭載により、2WD車のWLTCモードによる燃料消費率が軽商用車でNo.1となる21.2km/Lを実現し、4WDを含めた全車で「平成27年度燃費基準+25%」を達成した。

安全装備
スペーシア/カスタム/ギアはフロントシートSRSサイドエアバッグだけでなく、SRSカーテンエアバッグも併せて標準装備される[注釈 18]。初代よりハイビームアシストとリアパーキングセンサーを追加、衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能が前方に加えて後方にも追加され、これらの装備全てが標準装備化された(オプションで非装着設定が可能だが、この場合「全方位モニター用カメラパッケージ」の装着が不可となる)。衝突軽減ブレーキは、軽自動車では6代目ワゴンR/4代目ワゴンRスティングレーに次いでの採用となる、単眼カメラ+レーザーレーダー方式の「デュアルセンサーブレーキサポート」に再変更。後方では超音波センサー方式の「後退時ブレーキサポート」が用いられる。2020年8月の一部仕様変更で初代・2型で採用された「デュアルカメラブレーキサポート」に戻されたが、夜間の歩行者の検知が可能な改良型が搭載される。

ベースはエアバッグが運転席・助手席SRSエアバッグと軽商用車では初搭載となるフロントシートSRSサイドエアバッグのみとなる点、車線逸脱抑制機能、標識認識機能、ヘッドアップディスプレイが非装備となる点を除いて他のスペーシアシリーズと同じレベルの装備を備えており、特に、上位グレードに標準装備されているアダプティブクルーズコントロール及びメーカーオプション設定されている全方位モニター用カメラはスズキの軽商用車では初採用となる。

シリーズ初の4ナンバー(商用)モデルにして1991年から1994年にかけて生産・販売されていた3代目アルトの派生車種のアルトハッスルバン以来、28年ぶりの投入となるハイトワゴン型ボンネットバンモデルの「スペーシア ベース(Spacia BASE)」が発売された(型式はMK33V型)[38]。
乗車定員はスペーシア/カスタム/ギア同様に4名だが、道路運送車両法施行規則に基づく「貨物自動車等」の登録基準を満たすため、リアシートをエブリイ(バン)同様のヘッドレストのない一体可倒式ベンチシートとして荷室部分を拡大。加えて、リアシートを格納しラゲッジフロアボード下に格納されているフルフラットカバーを装着することでフラットフロア化することを可能とした。リアシート格納時で幅1,265mm×高さ1,115mm×床面長1,375mmの荷室容量を確保しているが、最大積載量は8代目アルトバン「VP」と同じ200kg(4名乗車時は100kg)としている。
本モデルの特徴としてマルチボードが標準装備されており、上段モードでは停車時にデスクとして活用したり荷物の目隠しに、中段モードでは荷室を上下に分割する棚板や車内でのローデスクに、下段モードでは停車時にフロントシートの背もたれを後ろに倒すことで車中泊にも使用可能なフルフラットスペースになり、助手席を前に倒すことで長尺物の積載も可能となる。ボードを立てて差し込む前後分割モードではペット同伴で旅行に行くときなどにケージを安全に積載可能なスペースが出現する。後席用のシートベルトはマルチボード切替に対応してバックルが脱着式になっており、外してリアクォーターポケットに収納可能である。また、前席のファブリックシートは撥水加工が施され、ラゲッジフロアは防汚仕様としているほか、防汚仕様に加えて物が落ちにくい形状で傷がつきにくい表面加工も施された助手席シートバックテーブルも装備される。
グレード体系は「GF」と「XF」の2グレードが設定される。ブラック仕様の14インチホイールのデザインがグレードによって異なり、「GF」はスチール、「XF」はハーフホイールキャップ付のアルミとなる。「XF」は後席両側スライドドアクローザー、後席右側ワンアクションパワースライドドア、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)、IRカット機能付フロントガラス、運転式シートリフター、チルトステアリング、USB電源ソケット[Type-A/Type-C](インパネ、2個)、オーバーヘッドシェルフも装備され、乗用車並みの装備内容となる。
ボディカラーはシリーズ共通設定色となるピュアホワイトパール(メーカーオプション)とブルーイッシュブラックパール3、モノトーンではカスタムの2020年8月の一部仕様変更に伴う廃止以来の設定となるアクティブイエロー、ギアのガンメタリック2トーンルーフ専用色でモノトーンではシリーズ初設定[注釈 34]となるデニムブルーメタリック、新規色のモスグレーメタリックの全5色を設定する。


概要
販売期間 2017年12月14日 - (スペーシア/スペーシアカスタム)
2018年12月20日 - (スペーシアギア)
2022年8月26日 - (スペーシアベース)
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドア軽トールワゴン(スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア)
5ドア軽ボンネットバン(スペーシアベース)
エンジン位置 フロントミッドシップ
駆動方式 前輪駆動 (2WD車)
四輪駆動 (4WD車)
プラットフォーム HEARTECT(ハーテクト)
パワートレイン
エンジン R06A型:
658 cc 直列3気筒DOHC
(スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア HYBRID XZ/スペーシアベース)
R06A型:
658 cc 直列3気筒DOHCターボ
(スペーシアカスタム HYBRID XSターボ/スペーシアギア HYBRID XZターボ)
モーター WA05A型:直流同期電動機(スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア)
最高出力 エンジン:
38 kW (52 PS)/6,500 rpm
モーター:
2.3 kW (3.1 PS)/1,000 rpm
(スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア HYBRID XZ)エンジン:
47 kW (64 PS)/6,000 rpm
モーター:
2.3 kW (3.1 PS)/1,000 rpm
(スペーシアカスタム HYBRID XSターボ/スペーシアギア HYBRID XZターボ)
最大トルク エンジン:
60 N・m (6.1 kg・m)/
4,000rpm
モーター:
50 N・m (5.1 kg・m)/100 rpm
(スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア HYBRID XZ)
エンジン:
98 N・m (10.0 kg・m)/
3,000 rpm
モーター:
50 N・m (5.1 kg・m)/100 rpm
(スペーシアカスタム HYBRID XSターボ/スペーシアギア HYBRID XZターボ)
変速機 CVT
CVT(7速マニュアルモード付);
(スペーシアカスタム HYBRID XSターボ/スペーシアギア HYBRID XZターボ)
サスペンション
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング(2WD車)
後:I.T.L(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリング (4WD車)
車両寸法
ホイールベース 2,460mm
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,785mm
1,800mm(スペーシア「HYBRID X 2トーンルーフパッケージ装着車」/スペーシアギア/スペーシアベース「XF」)
車両重量 850-930kg(スペーシア)
880-950kg(スペーシアカスタム)
880-940kg(スペーシアギア)
860-920kg(スペーシアギア)
その他
ブレーキ 前:ディスク
(スペーシア2WD車)
前:ベンチレーテッドディスク
(スペーシア4WD車/スペーシアカスタム/スペーシアギア HYBRID XZターボ/スペーシアベース)
後:リーディング・トレーリング
OEM供給 マツダ・フレアワゴン(3代目)
系譜
先代 スペーシアベース:
スズキ・アルトハッスルバン(間接上)

 

 


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