コンテナ船 WAN HAI(春翼)
コンテナ船(コンテナせん)とは、ISO 668により規格化された海上コンテナを輸送する貨物船。タンカーと並んで、海上貨物輸送の主流を占めている。
コンテナ船を運行する会社は海運貨物会社である。多くの荷主は海運貨物会社に直接依頼するのではなく、NVOCC(フォワーダー)を通して貨物を依頼している。
21世紀初頭現在、海上輸送で流通している貨物コンテナにはISO 6346に従い、すべてに固有の記号が与えられており、コンテナ外面に表示されている。コンピューターはこの番号によって個別のコンテナを把握して、セルへの積付けや配送の順番を決めている。
分類
コンテナ輸送専用船をフルコンテナー、在来の貨物船の形態とコンテナ設備を併設するものはセミコンテナーという。貨物コンテナと他の一般貨物を混載する混載貨物船には、貨物コンテナ専用の船艙を持つ「分載型」と、専用の船艙を持たずに同一スペースを共用して搭載する「混載型」がある。
冷凍コンテナへの給電設備が多くの船に備わっており、一部の船では水冷の配管設備を船艙深部にまで備えている。また、冷凍ユニットの運転状況を監視する装置が備わっている船もある。
輸送と荷役
コンテナは規格化されているため、天候に関係なく機械化された荷役が可能で、積付や陸揚もコンピュータで迅速に行うことができる。
コンテナ船は国際間の貨物輸送の主要な輸送手段として、日用品、工業製品、精密機器、加工済み食品、製材済みの木材や金属インゴットのような原材料などドライカーゴと呼ばれる物のほとんどを運んでいる。冷凍食品も冷凍コンテナによって運搬される。
コンテナ船での輸送に不適なものに、バラ積みやタンク輸送に適した貨物や、高速・短時間で運搬しなければならないものがある。
ばら積み貨物:鉱石、石炭、穀物などは、それぞれ鉱石運搬船、石炭運搬船、穀物運搬船等の専用運搬船、またはそれらの共用運搬船といったばら積み貨物船で運ばれる。
石油類やLNG、LPG:それぞれ専用のタンカー(油槽船)で運ばれる。
高い鮮度が求められる生鮮食料品や高額な半導体製品、航空郵便物は航空貨物として運ばれる。
TEU
コンテナ船の積載能力はTEUという単位で表現され、ISOによって規格化され海運業界の標準となっている20フィートコンテナの1個分に相当する。例えば 4,000TEUであれば、20フィートコンテナを4,000個積める大きさの船ということになる。
コンテナライゼーション
貨物輸送を全てコンテナを使って行うことをコンテナライゼーション(containerization)という。コンテナは商業貨物の輸送方法として最も一般的手段となっており、陸上ではセミトレーラや貨物列車で運ばれ、海上ではコンテナ船に運ばれ、工場から店舗や倉庫などへ一貫輸送されている。
航路
コンテナ船には、設備が整った世界各地の基幹港湾(ハブ港)だけを結び深い海路を進む大型船と、ハブ港から地方港湾を結ぶフィーダー路線を進む小型船とがある。
世界の大型ハブ港湾にはロッテルダム、コペンハーゲン、シアトル、オークランド、ロサンゼルス、シンガポール、香港、上海、高雄、釜山などがあり、日本の地方港湾は釜山や上海からの支線が延びるフィーダー港湾に当たる。
世界各国の代表的な港湾や、横浜港や神戸港など日本のスーパー中枢港湾は、超大型コンテナ船が立ち寄るハブ港から外されないよう、大型投資や制度改善、国内外の集荷力強化などを進めている。
設計上の特色
大型コンテナ船の設計においては高速航行性と耐航性を備える船型の開発・設計、上甲板の大開口と船体強度の確保、積付けの迅速性が留意される。
構造
セル構造
ほとんどのフル・コンテナ船や多くのセミ・コンテナ船では、貨物コンテナの搭載にセル構造をとっており、船体の動揺時のコンテナ保持と荷役作業の効率化のために、コンテナ四隅の位置にセル・ガイトと呼ばれる垂直レールを備えてコンテナを横方向に動かないよう固定する構造がとられている。レールの最上部にはエントリー・ガイドと呼ばれる斜体が付いていてガントリークレーンなどを使った搭載時に容易にはめ込めるようになっている。この構造全体がセル(Cell)構造やセルラー(Cellular)構造と呼ばれ、セル構造を持つ船倉はセルラー・ホールド(Cellar Hold)と呼ばれる。
クレーン
比較的大きなコンテナ船やフル・コンテナ船では、場所や重量の節約のために船上に荷役機器(クレーンなど)を備えない船が多く、コンテナの積み卸しは、埠頭に設置されているコンテナ専用のガントリー・クレーンで行う場合が多い。しかし、2,900 TEU以下の比較的小さなコンテナ船では、揚荷施設の未整備な港での積み下ろしなどのために自らクレーンを備えている傾向がある。
ハッチカバー
大型セルコン船では、ハッチを閉じるハッチカバーは、旧型船では油圧駆動のヒンジ式等が使われていたが、21世紀の現在はポンツーン型で岸壁のクレーンによって開閉するようになっている。鋼製のポンツーン型ハッチカバーも最初はゴムガスケットで水密が考慮されていたが、貨物がコンテナだけなので現在では船首の1番ハッチ以外は特にガスケットは付けられない場合が多い。また、ハッチの固定締め付けも、その上に積載されるコンテナ重量とコンテナの固縛で押さえられるためにほとんどの船で省かれている。
ラッシング・ブリッジ
ギャングと呼ばれるコンテナの固縛作業やその解除を行う専門作業チームがラッシング作業を安全・迅速に行えるように上甲板上のコンテナ間に足場となるラッシング・ブリッジを持つ大型フルコンテナ船が登場している。また、ラッシングに加えて、従来船艙内だけだったセルガイドを上甲板上にまで伸ばしたセルガイド延長コンテナ船が登場している。このような設計ではハッチカバーそのものが無いため、海水や雨水が直接船倉内に侵入するので、排水装置が必要になり、消火設備も特に備えなければならない。船尾甲板上の係留作業用デッキの上にまで固定セル構造を備えた船もある。
エンジン
コンテナ船はディーゼルエンジンでスクリュー・プロペラを回して推進力を得ている。また乗組員は20人から40人である。
船橋、居住区画、機関室は小型船ではほとんどが船尾に配置されているアフト・エンジン形式であるが、1,000 TEUを越えるフルコン船では船尾に近い船長の1/4-1/3程の位置に配置したセミアフト・エンジン形式が多くなる。
オイルショックにより原油価格が高騰した後、21世紀初頭の現在でも燃費優先の推進機関が選択されており、大きな船ほどより大きく低速で回転するディーゼル・エンジンを1軸直結の1軸推進器で駆動している。
口径1m近いシリンダーを100回転/分程度で回転させて、12気筒そろえて合計10万馬力程度のターボ過給のディーゼル・エンジンが大型コンテナ船で標準的に採用されている。船体が大型であると同時に、一般に船速が25ノット程度と一般商船の中では最速の部類であり、そのためタンカーなどと比べても大型の主機を搭載している。
減揺装置
横揺れによるコンテナの荷崩れを防止するために、アクティブな減揺装置としてフィン・スタビライザー、パッシブな減揺装置として減揺水槽(アンチローリング・タンク)、を持つ船が現れている。
商号 ワンハイラインズ 株式会社 WAN HAI LINES(JAPAN), LTD.
創立年月日 1986(昭和61)年7月1日
創立経緯 当社は、WAN HAI STEAMSHIP COMPANY Inc. LIBERIA及びファーストマリン株式会社(FIRST MARINE CORP.)の共同出資により設立され、従来ファーストマリン株式会社が
従事していたWAN HAI のコンテナ船に係る日本総代理店を全面継承の上発足しました。
事業目的
1) 海上運送業
2) 海運代理店業
3) 海運仲立業
4) 航空運送取扱業
5) 損害保険代理店業
6) 前記各号に附帯する一切の業務
所在地 本 社: 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル3階