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国鉄457系電車 クモハ455-1

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国鉄457系電車は、日本国有鉄道(国鉄)が設計・製造した交直両用急行形電車。

1958年に運用開始された153系電車は、車体の両端に出入台を設け全席をボックスシートとしたことで客車を上回る居住性を実現し、利用者からは好評であった。また、1950年代半ば以降は変電所など地上設備の数が少なく済み、初期コストが少なくなる交流電化を地方線区中心に推進した結果、直流電化区間との直通車両が要求され、交直流いずれの電化区間も走行できる急行形電車が必要となった。このため153系をベースとした交直両用電車として開発されたのが、本グループの第1弾となる451・471系である。本グループは、増備過程での主電動機出力の変更や勾配抑速ブレーキの有無、さらに対応する交流電源周波数により細かいグループに分類されている。
分割民営化時には、JR東日本・JR西日本・JR九州に継承され普通列車として運用されていたが、2000年代以降は車両老朽化ならびにドア数や座席配置などサービス水準を向上させた新型車両が投入された結果、運用に適さなくなったこと、さらに断熱材にアスベストが使われていることなどから急速に廃車が進められ、2014年現在ではJR西日本所属車両の一部のみが定期運用に充当される。

車体は軽量鋼(外板は1.0mm厚、屋根板は1.2mm厚)と鋼板形押材を使用し、高運転台構造が採用された点はクハ153形500番台と同じであるが、正面貫通扉付近のデザインは幌枠が突き出ているなど若干異なっており、翌1963年に登場する165系先頭車も本系列に準じたほか、客用扉にはステップを設置した。
走行機器は、2両8基の主電動機を制御する1C8M構成のMM'ユニット方式を採用し、Mc車にノッチ戻し制御可能なCS15形電動カム軸多段主制御器・抵抗器・補助電源用電動発電機(MG)・電動空気圧縮機(CP)などの直流機器を、M'車に主変圧器・整流装置・搭載部分を絶縁確保のために低屋根構造としたPS16B形集電装置1基などの交流機器を分散搭載する。
台車は、以後の国鉄特急・急行形電車の標準となるダイアフラム式空気バネのDT32・TR69系列が初採用された。

451系・471系:401系・421系と同時に設計され1962年に竣工した系列である。451系が仙台地区の、471系が金沢地区の急行・準急行客車列車置換え・増発用として製造された。当初は特急形電車として検討されていたが、当時は交直流電車が誕生間もない頃で技術上の課題が若干残されていたため、急行形電車として計画が進められた。
451系・471系の搭載機器相違
系列 主制御器 主変圧器 主整流器
商用電源周波数の相違により電動車に搭載される送油風冷式主変圧器・主整流器が異なることから、50Hz用車両が451系、60Hz用車両が471系の系列番号とされた。ただし、商用周波数の影響を受けない制御車・付随車は共用できるため451形とした。
主変圧器の大きな相違点として、TM2B形は補助回路主変圧器を一体化しているが、TM3B形は補助回路変圧器を独立させた1次側出力を降圧する構造を採用する。
制御器は電動カム軸式CS15。MGはMH97-DM61(容量20kVA)、CPはMH80A-C1000、電動送風機はMH2019-FK42を搭載する点は両形式共通である。
Mc+M'ユニットは奇数(東海道本線基準で東京方)・偶数(同神戸方)のどちらを向けても運用可能な両渡り構造とし、落成当初は中間のサロ・サハシ451形を境にユニットを背中合せに連結することで編成を組成した。その後、冷房化により三相交流電源を引き通すためにKE5形ジャンパ連結器を追加したため片渡り構造となり奇数向きで統一され、偶数方をクハ451形とした。
運用線区の関係でホーム高さの低い線区が多いためにレール面上970mmの高さにステップが取付けられたが、クモハ451-1 - 9・クモハ471-1 - 11・13の1次車は戸袋部分で枕ばりと側はりの結合が実施できなくなることと車体強度の問題から乗務員室側客用扉については外吊方式とされた。しかし、雪の付着やトンネル入出時にかかる圧力からドアが開くなどのトラブルが生じたことにより、2次車以降は通常の戸袋方式が採用され1次車についても同様の改造が施工され、重量が約900kg増加した。

クモハ451形(1 - 12):交流50Hz対応の2等(現・普通)制御電動車で定員76名。主制御器・MG・CPを搭載。乗務員室助士席側後部に機器室が設置されたため、その部分に側窓がなく、機器室用冷却風取入口が設置されている点が外観上の特徴である。床下艤装の関係上トイレ・洗面所用の水タンクは横手方向に取付けられた

 


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