堺市の元市議会議員、加藤均氏(85)が海上自衛隊第1術科学校に寄贈したサイパンで発見された旧海軍の艦載砲、日露戦争(明治37年2月8日~明治38年9月5日)に於いて、英国アームストロング社製「QF 6 inch /40 naval gun(40口径6インチ速射砲)」180門が輸入され戦艦・巡洋艦の副砲として使用された。
これを準国産化した火砲が「安式四十口径六吋速射砲(アームストロング式40口径6インチ速射砲)」「安式四十口径十五糎速射砲(アームストロング式40口径15cm速射砲)」であった。(6インチ≒15.2cm)
北海道炭礦汽船會社とアームストロング社の合弁会社である室蘭の日本製鋼所で「安式四十口径六吋速射砲」「安式四十口径十五糎速射砲」を国産化し、明治41年(1908年)、「四一式四十口径十五糎砲(41式40口径15cm砲)」として制式化された。
大東亜戦争時、「安式四十口径六吋速射砲」「安式四十口径十五糎速射砲」「四一式四十口径十五糎砲」は、艦載砲として旧式化していたが、沿岸砲台として使用された。現在も太平洋上の島嶼に多数遺されている。
尚、「四一式四十口径十五糎砲」を、当時の平均的日本人の体格に合うように一回り小さくした火砲が、大正3年(1914年)に制式化された「三年式五十口径十四糎砲(3年式50口径14cm砲)」であった。
砲の後ろから弾を装填する後装式火砲は開発当時は画期的なシステムであり、装填時間は従来の十分の一に短縮された。当初は、後装式火砲は「速射砲(QF gun:Quick-firing gun)」として前装式火砲と区別された。後に殆どの火砲が後装式火砲になると、「速射砲」という名称は廃れた。
砲製造所 安社
砲式 安式
尾栓の式 春日 : 三挙動式
その他 : 安式
発火装置種類 安式
口径 (粍) 152.4
砲身重量 (瓩) 一号 : 5,770
二号、三号 : 6,660
砲身構造 一号、二号 : 層成式
三号 : 鋼線式
砲身全長 (粍) 6,330.8
砲筒全長 (粍) 6,095.9
旋条種別 右旋漸加
旋条拗曲度 砲口にて29.14口径に付き1回転
旋条数 一号 : 28
二号、三号 : 24
筒渠幅 (粍) 一号 : 11.43
二号、三号 : 9.90
筒渠深 (粍) 一号:1.27
二号、三号:1.30
薬室長 (粍) 739.0
薬室容積 (立) 13.2
砲の命数 330
単装連装別 単装
砲架の種類 高脚
砲架の全重量 (瓩) 4,634
最大仰角 (度) 16
許容駐退最大限(粍) 379.7
水圧電動装置 水圧及び電動
洗浄噴気装置
楯の全重量 (瓩) 上甲板砲 : 4,560
中甲板 : 1,340
弾種 徹甲榴弾 鍛鋼榴弾
弾量 (瓩) 45.36
弾丸長 (粍) 481.7 571.5
炸薬 薬種 下瀬火薬
薬量 (瓩) 1.875 4.800
信管 伊集院信管一号
新式伊集院信管一号
装薬 種別 常装 減装
型式 薬莢
薬種 MD紐状
薬量 (瓩) 6.670 3.200
初速 (米/秒)700 450
砲口全勢力 (粍・瓩)
砲口穿入力 (粍) KC鋼板 159
火管 速射砲用電気火管
安砲用撃発火管
照準装置 常盤、春日 :
単働整度器付
その他 : 単働
望遠鏡の種類 直径2吋半
照準線と筒軸線との距離 (粍) 上甲板砲 :
A : 387.18
B : 525.30
C : 374.50
D : 528.60
中甲板砲 :
A : 332.64
B : 333.70
C : 330.35
D : 334.37
照準線長 (粍) 940
基準距離 (米) 一号 : 1100
二号、三号 : 2300
照尺の最大射程 (米) 10000
照準器固有傾度 1度 30分 00秒