上熊本駅は、熊本市の北の玄関口熊本県熊本市西区上熊本二丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)・熊本電気鉄道(熊本電鉄)の駅です。夏目漱石や小泉八雲らの文化人が降り立った駅で、駅前には漱石の銅像が建っていました。
上熊本駅には特急が停車しJR九州の鹿児島本線と熊本電鉄の菊池線が乗り入れ、接続駅となっている。菊池線は当駅が起点となっている。
JR上熊本駅は開業時の地名(飽田郡池田村)から「池田駅」と命名された。
池田村は早くから熊本市との合併話が進んでいたため、開業して10年で「熊本市の上部に位置する駅」として「上熊本駅」に改称されたが、池田村を含む飽託郡(飽田郡と託麻郡が1896年に合併して出来た郡)が熊本市に編入したのは結局1921年になってからだった。
なお、「池田駅」はそれから49年後の1950年に熊本電気鉄道の駅名として使用されることとなる。
駅前は、駅を中心に放射状に道路が延び、駅前に喫茶店などの飲食店が数軒ある。左手側はパチンコ店・倉庫・大型マンション・県立体育館を通り市街へ至る。
正面台地には住宅街、右手には商店・軽工業工場が並ぶ。駅裏手は熊本製粉の工場に面し、その背後には井芹川、花園地区の住宅街となっている。
駅近くには熊本県立総合体育館がある。駅から熊本城まで歩いて20分ほどで、散策の出発点となっている。また肥後54万石城主の戦国大名加藤清正の菩提寺でもある本妙寺の参道入口も近くにある。
駅前から熊本交通センターなどの熊本市中心部方面や、熊本駅を経由する環状線などバスが利用できる。バス停のナンバリングが施されている。
島式ホーム2面2線を持つ地上駅である。高架化工事のため、木造駅舎は撤去され、プレハブの仮駅で営業しています。かつては島式ホームに加え駅本屋側に単式ホーム1面1線があり、単式ホームの1番線が下り線、島式ホーム外側の3番線が上り線となっていた。島式ホーム内側の2番線は特急などの待避線として使用されていたが、2006年に廃止された。
2006年11月には、地下通路と3番線への渡り廊下が使用開始され、エレベーターが2機(駅舎から地下通路へ、通路からホームへ)設置された。その後2007年4月22日より、島式ホームのみとなった。さらに2011年5月24日より、九州新幹線の高架下にホームが移設され、対面式2面2線となった。 2012年12月1日よりSUGOCAが利用可能となるが、自動改札機の設置は行われず ICの読み取り機のみ設置している。
のりば
1 ■鹿児島本線(下り) 熊本・八代方面
2 ■鹿児島本線(上り) 玉名・大牟田方面
JR九州鉄道営業が駅業務を行う業務委託駅で、切符売場には。券売機は2台、オープンカウンター式みどりの窓口が設置されています。改札口は仮駅ということもあってか有人改札です。
頭上には液晶式の発車案内が設置されています。トイレは、駅舎移転前は24時間使用できたが、移転後は改札内に設置されているため、終電後は使用できない。2006年夏頃にキヨスクのコンビニ型店舗「ミニコンビニ」が再オープンした。九州では一番人気のゆるキャラ、KUMAMONのグッズがたくさん売られていました。狭い待合室があり長椅子が設置されています。
鹿児島本線が高架化された後には、駅西口の設置計画もある。
JR上熊本駅の二代目駅舎(大正2年7月)改築は洋風建築の名作と評価が高いが九州新幹線全線開業に伴う在来線高架化により2005年(平成17年)に解体が予定され、地元でも保存運動が起こった。
その後、駅舎の一部を保存し、熊本市交通局上熊本駅前駅の駅舎として使用することが決定し2006年(平成18年)7月1日に移築が完成した。ただし、移築されたのは駅舎正面の表面壁部分だけである
1891年(明治24年)7月1日 - 九州鉄道の池田駅として開業。
1896年(明治29年)に旧制第五高等学校に赴任した夏目漱石が降り立った場所としても知られる。1996年(平成8年)に漱石来熊100年を記念し、藤崎八旛宮 - 上熊本駅前 - 崇城大学の区間が「わが輩通り」と命名された。
1901年(明治34年)1月1日 - 上熊本駅に改称。
1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道の国有化により国鉄の駅となる。
1911年(明治44年)10月1日 - 菊池軌道(現・熊本電気鉄道)により池田(国鉄・上熊本と別名称) - 広町 - 千反畑(現在の藤崎宮前)間が開業。
1913年(大正2年) - 2代目駅本屋が竣工。
1913年(大正2年)8月27日 - 菊池軌道、池田 - 藤崎宮前 - 隈府(後の「菊池」)が全通。
1923年(大正12年)8月2日 - 菊池軌道が駅名を「上熊本」の改称並び、上熊本 - 室園間を改軌・電化。
1935年(昭和10年)3月24日 - 熊本市電が駅前に乗り入れ、上熊本駅前電停開業。
1950年(昭和25年)10月1日 - 熊本電鉄、池田隧道経由で北熊本まで開通並びに「上熊本~北熊本~隈府」を菊池線となる。
1953年(昭和28年)6月26日 - 熊本大水害にて熊本電鉄上熊本 - 藤崎宮前(路上駅)間が不通。
1954年(昭和29年)6月1日 - 熊本電鉄上熊本 - 藤崎宮前(路上駅)間の旅客営業を廃止、同区間を熊本市交通局に譲渡。
1954年(昭和29年)10月1日 - 熊本市交通局が熊本電鉄から譲渡した路線を1435mmの標準軌に改軌、熊本市電坪井線として開業。同日、熊本電鉄は電鉄上熊本 - (坪井線上熊本駅前) - 熊本倉庫間(0.23km)を市電坪井線と三線軌条で共用し「上熊本倉庫線」として運用開始。
1966年(昭和41年)7月6日 - 熊本電鉄上熊本倉庫線、廃止。
1970年(昭和45年)5月1日 - 熊本市電坪井線、廃止。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により鹿児島本線の駅は九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。
1997年(平成9年)3月22日 - 貨物列車の設定廃止。
小野田セメント(現在の太平洋セメント)のサービスステーション及び施設への専用線が存在し、金田駅からセメント輸送貨物列車が運行されていた。このほか、構内の一部が熊本製粉の専用線になっていた。
1999年(平成11年)3月31日 - 駅レンタカー営業所営業終了。
2002年(平成14年)熊本市電の車両基地が移転(作業用自動車庫・電車留置線は交通局に残された)。
2005年(平成17年)4月1日 - JR貨物の駅(貨物の取扱)が廃止。
2006年(平成18年)1月21日 - 駅機能を仮駅舎に移設。
2011年(平成23年)3月12日 - 九州新幹線全線開業に伴うダイヤ改正により、特急が無停車となる。
2012年(平成24年)12月1日 - 交通系ICカードSUGOCA対応。
2016年(平成28年) - 鹿児島本線連続立体交差化完成予定。
電報略号 カミ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度- 2,314人/日(降車客含まず)
-2011年-
開業年月日 1891年(明治24年)7月1日
備考 業務委託駅
みどりの窓口 有
駅名標は夏目漱石の著作にちなんだイラストです。