対爆スーツ(たいばくスーツ、英: Bomb Suit, Bomb Disposal Suit, Explosive Ordinance Disposal, EOD)は、爆発物などの爆風、破片などから身体を防護する為に開発された特殊作業服 である。主に軍隊と警察の爆発物処理作業者が着用する。防爆スーツ(ぼうばくスーツ)ともいう。日本の自衛隊では防爆衣(ぼうばくい)、警察では防爆防護服(ぼうばくぼうごふく)と呼んでいる。日本では、警察や自衛隊で爆発物処理作業にあたる者が着用し任務に当たる。
一般人は全くといっていいほど着用する機会はない。工業的に爆発の危険性がある場合には対爆スーツを着用するのではなく、爆発そのものが起きないように安全管理を行うことが基本だからである。
有機化学の実験などで、爆発危険性の高い実験を行う場合などに着用する対爆スーツも存在する。しかし、近年ではそのような実験は隔離されたドラフトチャンバー内で行うのが通例である。そのため、対爆スーツはあまり必要とされていない。発破作業や火薬学における実験においても、人員が爆風にさらされないように安全管理することが基本事項である。ヘルメット以上の装備を使用することはどこの国でも普通は無い。
大変に高価な装備である。そのため、カンボジアなど発展途上国の地雷処理関係者などは戦闘用ヘルメットにボディアーマー程度の軽装で間に合わせていることも多い。
近年では、テロ対策から民間需要が激増し、売り上げが急激に伸びている。カナダのガバメンツ社では二年間で販売件数が急激に伸び、MK5対爆スーツを販売するためにアメリカで2005年に合資会社として製造メーカーから独立したフォースウエア社が立ち上げられている。加えて、安価な中国企業の製品が数多く出回っている。これは空港会社や警備会社などいままで必要としていなかった民間企業からの需要が激増したためである。実際問題として民間企業で有効活用できるのかどうか疑問はあるが、社会的な不安から御守り程度の意味合いで購入する企業が増えているためとも思われる。また、重役などが自衛のために会社に置いているとも言われている。