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自走枠(直方市 石炭記念館

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採炭現場を保護する鉄柱・鉄梁(「カッペ」)を一体化したのが自走枠。油圧によって上下、前後にハンドルで動く。ホーベル採炭法やカッター採炭法で活躍。三菱ガリックIH6-17型
三菱ガリック自走枠の特徴
・1天盤制御が優れている。
天盤支持力が大きくかつ均一で気持面積が広い事から成木が不要となりまた,後カッペがピン連結されているため凹凸に対し効果的である。
・2下盤に対する適応性がよい
接地面績が広いので軟弱な下盤にもめりこまない,また凹凸に対しても前・後架台の問にある接続板が有効に作用してよく順応する。
・3枠の安定性が優れている
枠自休の構造から亜心が低くまた接地面積が広いために枠倒れの恐れは全くなく枠の前進建付が安 定して行なえる。
・4操作作が容易である枠の操作は高圧切替弁と開閉弁のみで行なえるため, 簡単で作業員も1~2日で習得できる。また1サイクルに要する時間も補助作業を除けば30~60秒である。
・5採炭機との組合せが良好である
ホーベル切削上の電要な要素である下盤調整でも極めて効果的である。すなわち各枠にシフタを内 装しトラフと連結しているためコンベヤ押力を,調節することで下盤の調整が自由にできる。


ホーベル採炭法は切羽に沿って動作する炭壁切削刃(ホーベル)によって連続して炭壁を崩して採炭する方法。ドイツで開発され、1950年代後期頃から日本の炭鉱にも導入された。ホーベルの動作ガイドを兼ねてコンベアトラフが敷設され、ホーベルはこのガイド上で切羽に並行に往復動作を行う。ホーベルの切削刃が炭層に密着するようコンベアトラフは背後からシフター(空気圧または水圧ピストン)によって切羽に押し付けられ、切削によって切羽面が前進するとそれに合わせて機材全体も前進する。採炭と搬出を一連のシステムで行う機材として開発され、後にカッター採炭法に発展した。ホーベル自体も、カッター採炭に適さない環境(炭層中に硬い珪化木が多い等)の炭鉱向けに使用が続けられ、自走枠との組み合わせ等の改良も行われた。

カッター採炭法は炭壁を機械的に破砕する重機(コールカッター)によって採炭する方法。コールカッターは元来、切削刃を植えたチェーンソー様式の機械で、発破の前工程として炭壁に切削溝(「透かし」と称する)を刻み込み、炭壁を崩しやすくする採炭補助機材であった。その切削部を、円筒型の回転体にスパイラル状に切削刃を植えたドラムカッター様式とし、カッター自体で連続的に採炭を行うよう改良されたものが開発され、さらに、ホーベル採炭機の炭壁切削部をこのドラムカッターに置き換えてコンベアトラフと組み合わせた採炭・搬出システムに発達した。ホーベルの場合と比較して一度に削り取る幅が大きく、より効率的となっている。その後、採炭現場を保護する鉄柱・鉄梁(「カッペ」)を一体化した自走枠システムとも組み合わせることで機械化採炭システムへと発達し、1980年代頃には日本の主要炭鉱の多くがこの発達型を採用していた。炭鉱によってはSD採炭法とも称された。


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