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名古屋市交通局6050形電車

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名古屋市交通局6050形電車

名古屋市交通局6050形電車(なごやしこうつうきょく6050がたでんしゃ)は、2010年(平成22年)に名古屋市営地下鉄の桜通線用として登場した名古屋市交通局の通勤形電車である。
桜通線としては6000形以来16年ぶりの新形式であり、近年の技術の急速な進歩と社会ニーズの変化に対応するため、2009年(平成21年)から2010年(平成22年)にかけて5両編成4本(20両)が野並 - 徳重間延伸開業に伴う輸送力増強時に導入された。
当初は6両編成で製造される予定だったが、建設費削減や需要予測の見直しなどにより、5両組成とし、6000形に倣って運転台が右側に配置、ホーム柵制御装置が搭載されている。

車体
正面は後退角を垂直方向に持たせたくの字傾斜としてシャープなイメージを演出し、ステンレス鋼製の車体は上飯田線7000形まで採用されていたビードプレス工法をやめ、桜通線で初めての日車式ブロック工法が採用された。
集電装置はシングルアーム式パンタグラフを各電動車に1基搭載する。
前照灯と尾灯は6000形と異なり、縦型が採用された。行先表示器は桜通線で初めてのLED式となっている。客室の窓ガラス上下には、桜通線のラインカラーである赤帯、桜通線で初めて客用ドア部分にも赤帯が配された。
冷房装置は集約分散式を各車の屋根上に2基搭載し、1基当たりの冷凍能力は24.42 kW (21,000 kcal/h) である。

車内
座席はオールロングシートであるが、構造は上飯田線7000形で採用された片持式を踏襲する。冷房装置搭載箇所の天井は段差を解消し、結果として室内空間の拡大が図られている。形状はJR東日本E233系や名鉄4000系と類似のものに変更、座席端部の仕切りが大型化、客用ドア間が50 mm拡大されたことにより、その座席幅も拡大されるなど、車内設備が東山線N1000形と異なる部分も多く見られる。
桜通線で初めて客用ドア上部に1両あたり4台千鳥配置されている車内案内表示器は6151編成のみ東山線N1000形N1104編成までと同じく32 × 256の2段表示による横長LED式だったが、6152編成以降は名古屋市営地下鉄で初めての17インチワイドのLCD式(通称「ハッチービジョン」となっている。また、桜通線で初めて設置されているドア開閉方向を示す表示器は6151編成のみ全客用ドア上部の左右2か所だったが、6152編成以降は千鳥配置による客用ドア上部の左右2か所となっている。さらに、桜通線で初めて乗降口にドアチャイム(音色は東山線N1000形と同一)、名古屋市営地下鉄で初めて7人掛けシートの座席間にスタンションポールが1本、全客用ドア上部の左右2か所にドア開閉動作開始ランプが設置された。このほか、客用ドアの室内側は化粧板仕上げであり、客用ドア床面は識別を容易とするために黄色とされた。
車椅子スペースは6000形6114編成以降の両先頭車への設置から1両に1か所への設置へと拡大されている。
右側のディスプレイの駅名表示は日本語(漢字・ひらがな)→英語→韓国語→日本語(漢字・ひらがな)→中国語(簡体字・繫体字)…を回転させながらアニメーションのような表示をする。ホーム案内も進行方向から向かうような感じで表示している。この技術は東京地下鉄8000系後期更新車と16000系、都営地下鉄10-300形一部編成と12-600形一部編成、Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)30000系御堂筋線仕様車にも採用されている。

走行機器など
主回路システムは東洋製のVVVFインバータ制御である。制御素子は6000形のGTOサイリスタからIGBTに代わり、回生ブレーキおよび全電気ブレーキ機能を有する。また、PGセンサレスベクトル制御を採用したため、空転や滑走時などでも安定したトルクを得ることが可能である。インバータ装置1基につき4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式を1ユニットとして、電動車各車両に搭載されている。かご形三相誘導電動機の定格出力は170 kWである。歯車比は6.19で6000形とは異なる。
ブレーキシステムは、車内信号式ATCに連動し遅れ込め制御機能を有する回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを採用している。
空調機器などに電源を供給する補助電源装置は、IGBT素子による静止形インバータ (SIV) を両先頭車に各1基搭載している。
台車は住友金属工業製のボルスタレス空気ばね台車(電動車 SS176M形、制御車 SS176T形)で、乗り心地改善を図る目的で軸箱に密閉式円筒ころ軸受を用い、軸箱支持はモノリンク式である。駆動装置は従来の名古屋市営地下鉄の車両と同様にギヤカップリング式平行可撓駆動方式を採用している。
空気ブレーキや空気ばねに圧縮空気を供給する空気圧縮機は6000形と同様にレシプロ式であり、6250形 (M1) と6750形 (M3) に各1基搭載する。


名古屋市営地下鉄6050形電車
NagoyaCitySubwaySeries6050@Nakamurakuyakusyo.JPG
6050形電車
(2010年7月5日 中村区役所駅)
基本情報
運用者 名古屋市交通局
製造所 日本車輌製造
製造年 2010年
製造数 4編成20両
運用開始 2010年7月5日
投入先 桜通線
主要諸元
編成 5両編成(3M2T)
軌間 1,067 mm(狭軌)
電気方式 直流1,500 V(架空電車線方式)
最高運転速度 75 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
編成定員 713人
車両定員 先頭車136人(45席)
中間車147人(51席)
自重 先頭車31.3 t・31.6 t
中間車35.2 t・36.1 t
編成重量 170.3 t
編成長 100.0 m
長さ 20,000 mm
幅 2,746 mm
高さ 4,140 mm
台車 ボルスタレス空気ばね台車
住友製[注釈 1]SS176M・SS176T
主電動機 かご形三相誘導電動機
(1両あたり4基、押し込みファン式)
主電動機出力 170 kW
駆動方式 ギヤカップリング式平行可撓駆動方式
歯車比 99:16
編成出力 2,040 kW
制御方式 2レベルIGBT-VVVFインバータ
PGセンサレスベクトル制御
制御装置 東洋電機製造製
RG-6011-A-M
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(ATC連動・純電気ブレーキ対応)
遅れ込め制御付、応荷重装置付、保安ブレーキ付
保安装置 車内信号式ATC
ATO


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