栗橋駅(くりはしえき)は、埼玉県久喜市にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東武鉄道の駅である。
JR東日本の東北本線と、東武鉄道の日光線の2路線が乗り入れ、接続駅となっているが、両線ともに優等列車は停車しない。東北本線は旅客案内上の愛称「宇都宮線」の設定区間に含まれており、上野駅発着系統と、新宿駅経由で横須賀線に直通する湘南新宿ライン、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインが停車する。市境の近い加須市旧大利根町は勿論のこと、利根川対岸の古河市中田地域や権現堂川対岸の五霞町も駅勢圏に入る。
自由通路を兼ねた橋上駅舎を有しており、JR東日本と東武鉄道それぞれに改札がある。
JR東日本:
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅である。
みどりの窓口(営業時間 7:00 - 18:00)、Suica対応自動改札機、指定席券売機が設置されている。
のりば
番線 路線 方向 行先
1 ■宇都宮線(東北線) 上り 大宮・東京・新宿・横浜・大船方面
(■湘南新宿ライン・■上野東京ライン含む)
2 上り 予備ホーム
3 下り 小山・宇都宮・黒磯方面
湘南新宿ラインの列車は前述のように横須賀線へ直通する。本項では湘南新宿ラインのラインカラーを■青、上野東京ラインのラインカラーを■紫で示すが、実際のホーム案内はすべて■オレンジで案内されている。
2番線は待避線であるが、2006年3月18日ダイヤ改正以降はダイヤが乱れた場合や貨物列車・臨時列車の待避以外では使用されていない。そのため、コンコースでは「臨時上りホーム」と案内されている。
東武鉄道:
島式ホーム1面2線を有する地上駅である。駅番号はTN 04。PASMO対応自動改札機設置。
のりば
番線 路線 方向 行先
1 TN 日光線 上り 南栗橋・東武動物公園・
TS 東武スカイツリーライン 北千住・とうきょうスカイツリー・浅草方面
2 TN 日光線 下り 新栃木・東武日光・TN 鬼怒川線 鬼怒川温泉・
TN 宇都宮線 東武宇都宮方面
上記の路線名は旅客案内上の名称(「東武スカイツリーライン」は愛称)で表記している。
2013年3月16日のダイヤ改正で、当駅は区間快速の停車駅から外され、当駅から東武動物公園方面に直通する列車は、上りの始発列車(区間急行浅草行き)と下りの最終列車(区間急行新栃木行き)のみとなった。当該列車以外で東武動物公園方面を行き来する場合は、隣の南栗橋駅で対面乗り換えとなる。
当駅にはJR東日本の線路と東武鉄道の線路をつなぐ連絡線が設置されている。これは、2006年3月18日より新宿 - 東武日光・鬼怒川温泉間で特急列車「(スペーシア)日光・きぬがわ」を相互直通運転することになったため、それにあわせて新設されたものである。総工費は約16億円である。
連絡線は両社の土地の境界線付近に設置され、東武の側線跡の土地も利用している。連絡線の途中には、両社の乗務員が交代するためのデッキおよび乗務員詰所が設置されている。JRと東武を直通する特急は当駅で乗客の乗降扱いを行わないため、旅客用ホームは設けられておらず、列車は運転停車となる。線路の配置は運転本数が少ないため、単純な平面交差となっている。
両社連絡線設置に伴い、長さ80メートルのデッドセクション(死電区間)が設置された。東北本線東京 - 黒磯間と東武日光線はいずれも直流1,500ボルト電化であるが、双方の電源の混触を防ぐために設置され、列車は惰行で通過する。デッドセクション内の架線は断路器を介して東武側の饋(き)電線に接続されており、何らかの理由で列車がデッドセクション内に停止した場合には東武側からの加圧で列車を動かすことができる。
なお、2009年時点では東武本線においてJR線と東武線が直結されている唯一の地点である。南栗橋車両管区は至近であるものの、新車搬入には使用されていない。新車は熊谷貨物ターミナル駅から秩父鉄道線・羽生駅・東武動物公園駅を経て南栗橋車両管区まで搬入される。
東口北方にある木造の建物、野本タクシー車庫は橋上駅舎化前・西口開設前の駅舎のそのまた前の当駅駅舎である。1947年、カスリーン台風により利根川が決壊、決壊の原因は利根川橋梁に漂流物が引っかかり流れが悪くなったためとされる。さらに1948年にはアイオン台風により、橋梁の線路部分まで浸水した。そのため1949年から橋梁持ち上げ工事を行い、翌年に持ち上げ工事完了。それにともない200m南の現在の位置に駅舎を新設、東北本線ホームは移動して建て直された。かつては東武線ホームと並んで東北本線ホームがあった。
1900年(明治33年)に作詞された「鉄道唱歌 第三集奥州磐城篇」(大和田建樹作)では、栗橋駅を以下のように歌った。
5.中山道と打わかれ ゆくや蓮田の花ざかり 久喜栗橋の橋かけて わたるはこれぞ利根の川
6.末は銚子の海に入る 板東太郎の名も高し みよや白帆の絶間なく のぼればくだる賑わいを
1885年(明治18年)7月16日 - 日本鉄道(現・東北本線)の駅として開業。当時利根川の架橋は完了しておらず、この区間には鉄道連絡船が運行され、当駅 - 古河駅間の現在の利根川畔には中田仮停車場が設けられて利根川鉄橋の開通まで運用された。
1886年(明治19年)6月17日 - 当駅 - 中田仮駅間の利根川橋梁が開通。中田仮駅を中田信号所に変更。
1886年(明治19年)7月9日 - 明治天皇が利根川橋梁を展覧した。
1906年(明治39年)11月1日 - 買収により日本鉄道が国有化される。
1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称が制定され、東北本線の駅となる。
1922年(大正11年)3月5日 - 当駅 - 中田信号所間複線化。
1922年(大正11年)4月1日 - 中田信号所を中田信号場に改称。
1929年(昭和4年)4月1日 - 東武日光線の駅が開業。
1932年(昭和7年)5月1日 - 中田信号場廃止。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化にともない、東北本線の駅はJR東日本に継承。
2000年(平成12年)12月10日 - 橋上駅舎化・西口開設。JRと東武の駅舎・改札が分割される(それまで東武鉄道の発券業務はJRに委託されていた)。多機能トイレにオストメイトを日本の鉄道駅では初めて設置。
2001年(平成13年)11月18日 - JR東日本でICカードSuica供用開始。
2006年(平成18年)3月18日 - JR東日本と東武鉄道との間に連絡線が設置され、直通特急「(スペーシア)日光・きぬがわ」が運行を開始。同時に当駅での運転停車が実施される。
2007年(平成19年)3月18日 - 東武鉄道でICカードPASMO供用開始。
2012年(平成24年)3月17日 - 東武鉄道の駅にTN 04の駅ナンバリングを導入。
JR 栗橋駅:
電報略号 クリ
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度- 11,843人/日(降車客含まず)
-2014年-
開業年月日 1885年(明治18年)7月16日
備考 みどりの窓口 有
東武 栗橋駅:
電報略号 クリ
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 1面2線
乗降人員
-統計年度- 11,180人/日
-2012年-
開業年月日 1929年(昭和4年)4月1日